講演情報
[O-6-01]当社薬局におけるトリプルワーミーの実態調査
○板谷 将雄1, 目黒 稜人2, 首藤 広大3, 佐藤 虎之介3, 藤木 さら4, 山本 泰直4, 坂井 悠貴5 (1.(株)エヌ・エム・アイ 能力開発室, 2.ALPHAS薬局 春日店, 3.東長浜店, 4.六日町店, 5.柳橋店)
【目的】トリプルワーミー(TW)はレニン・アンジオテンシン系阻害薬(RASI)、利尿薬非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の3剤併用による急性腎障害(AKI)のリスクが増加することで知られている。薬物相互作用などは日々の業務の中でも確認されるものではあるが、3剤の組み合わせによる相互作用については、気づかれず投与されているケースもある。本研究ではNSAIDsの投与されている患者を対象に薬歴に記載された併用薬を確認し、3剤併用に至っている症例を抽出、その傾向分析を行う。
【方法】2024年1月1日~12月31日を対象期間とし、各店でNSAIDsを7日以上投与された患者の薬歴から併用薬を確認した。本研究において整形外科は除外し、TW該当例について年齢・性別・使用薬剤の種類をExcelで集計した。
【結果】対象1206名のうち、TW該当は45例(3.7%)であり、平均年齢77.6歳で男女比は同程度であった。使用薬剤の上位は、NSAIDsではロキソプロフェン(19例)、セレコキシブ(12例)、RASIではアジルサルタン(15例)、利尿薬ではトリクロルメチアジド(10例)などが確認された。確認されたTWで多い組み合わせに、ロキソプロフェン+オルメサルタン+トリクロルメチアジド、ロキソプロフェン+バルサルタン+ヒドロクロロチアジド、セレコキシブ+アジルサルタン+インダパミドが確認された。
【考察】TWの発生が少数である背景には処方医側にTWのリスク啓発が進んでいる可能性がある。一方で集計の範囲に整形外科を含めると、併用薬の精査状況によってはTWの事例はより増えていく可能性は否定できない。またARB+利尿薬の配合剤使用中の患者にNSAIDsが処方される例も多く、有害事象のモニタリングを継続する必要がある。TWの事例の中にはARNI+利尿剤の処方など心不全治療中と考えられる症例もあり、心不全の病態によってはNSAIDs投与が禁忌となることもあるため、薬剤交付時にはさらなる病態の精査が重要である。
【方法】2024年1月1日~12月31日を対象期間とし、各店でNSAIDsを7日以上投与された患者の薬歴から併用薬を確認した。本研究において整形外科は除外し、TW該当例について年齢・性別・使用薬剤の種類をExcelで集計した。
【結果】対象1206名のうち、TW該当は45例(3.7%)であり、平均年齢77.6歳で男女比は同程度であった。使用薬剤の上位は、NSAIDsではロキソプロフェン(19例)、セレコキシブ(12例)、RASIではアジルサルタン(15例)、利尿薬ではトリクロルメチアジド(10例)などが確認された。確認されたTWで多い組み合わせに、ロキソプロフェン+オルメサルタン+トリクロルメチアジド、ロキソプロフェン+バルサルタン+ヒドロクロロチアジド、セレコキシブ+アジルサルタン+インダパミドが確認された。
【考察】TWの発生が少数である背景には処方医側にTWのリスク啓発が進んでいる可能性がある。一方で集計の範囲に整形外科を含めると、併用薬の精査状況によってはTWの事例はより増えていく可能性は否定できない。またARB+利尿薬の配合剤使用中の患者にNSAIDsが処方される例も多く、有害事象のモニタリングを継続する必要がある。TWの事例の中にはARNI+利尿剤の処方など心不全治療中と考えられる症例もあり、心不全の病態によってはNSAIDs投与が禁忌となることもあるため、薬剤交付時にはさらなる病態の精査が重要である。
