講演情報

[O-6-02]服用薬剤調整支援料算定事例における減薬対象者の傾向分析

佐藤 晶子1, 板谷 将雄2, 奥田 可奈3, 新井 莉菜4, 相田 昂熙5, 小柳 七彩6, 犬井 翔太7, 小池 諒8, 齋藤 樹希亜9 (1.(株)エヌ・エム・アイ薬局支援部, 2.能力開発室, 3.能力開発室DI課, 4.ALPHAS薬局新町店, 5.柳橋店, 6.塚野目店, 7.三和店, 8.木崎店, 9.向陽店)
【目的】ポリファーマシーは医療費の増大だけでなく、患者への悪影響が問題点としてあげられる。適正な医療を提供するためにも薬剤師からの減薬提案は有用である。当社においても2022年頃より減薬提案を行い、薬物治療の適正化に努めている。一方で、これまでその実績に対して具体的な調査・分析を行ってきておらず、本研究で減薬提案を行った事例をもとに、対象となる患者の年齢や服用薬剤の剤数、薬効群などの傾向分析を行う。これにより適正な減薬提案やポリファーマシーの削減に活用することを目的とする。
【方法】当社薬局各店から参照期間の服用薬剤調整支援料に関するトレーシングレポートを提出してもらい、患者年齢、性別、受診科数、服用している薬剤数、減薬提案した薬剤の薬効群を抽出し、エクセルにて集計・分析を行った。データ参照期間として2024年4月1日~2025年1月31日を設定した。
【結果】48症例が報告され、患者の属性として年齢78.6±9.4歳であり、75歳以上の後期高齢者が7割を占めた。患者の受診している診療科数は2.3±0.5となった。服用剤数は11±3.1剤であり、10種類以上服用している患者が6割超となった。減薬対象となった薬剤の傾向としてレバミピドなどの胃粘膜保護薬が24件と多く、ついでPPIが6件となった。患者の受診状況に関しては内科+整形外科に受診しているケースが多く確認された。
【考察】後期高齢者で10種類以上の服用が減薬を希望する一つの目安になると考えられる。内科よりPPIが処方されている患者に対して、NSAIDs投与時に佐薬として粘膜保護薬を投与する症例が多く、剤数が多くなるに連れ何を服用しているか患者自身が把握できていない可能性がある。また漫然投与と考えられる薬剤の減薬提案も確認されていることから、数値化できないような症状を改善する薬は様々な科から処方されることが多いため重複しやすい傾向にあると考えられる。