講演情報
[O-6-05]医療DX活用の実態と薬剤師業務への影響 ―認定薬局における横断研究―
○石井 僚, 永冨 将寛, 野村 洋介 ((一社)日本保険薬局協会 薬局機能創造委員会)
【目的】高齢化や人口減少を背景に、医療資源の効率的活用と医療の質の向上が喫緊の課題であり、特にマイナ保険証の導入は、薬局における質の高い薬学的ケアの実現に資するものと期待されるが、実際の活用状況や業務への影響について定量的な実態把握は不十分である。本研究では、マイナ保険証受付および患者同意に基づく情報確認の実態把握、薬剤師業務への貢献と負担を定量的に評価することを目的とする。
【方法】2025年3月時点で電子処方箋受付体制を有する日本保険薬局協会加盟の認定薬局を対象にWEBアンケートを実施。薬局特性、マイナ保険証利用率等の把握や、情報の確認状況、薬剤師業務への負担・貢献度を4~5段階で評価し、カイ二乗検定、相関分析により関連性を検討した。
【結果】1,006薬局の回答を集計。マイナ保険証利用率は平均42.1%、電子処方箋管理サービスに対する理解度が高い薬局は75.5%であり、マイナ保険証受付時に薬物治療の質や安全性向上につながる仕組みについて患者に頻繁に説明している薬局は62.6%であった。重複・併用禁忌チェック結果等の情報確認については、全4項目で「毎回または必要時に確認」が80%以上を占め、貢献度は13項目すべてで「中(3点)~非常に高い(5点)」の回答が半数を超えた。特に「服薬情報の把握」への貢献が顕著であった。統計解析では、情報確認を丁寧に行う薬局は貢献度が有意に高かった(Cohen’s d=0.58)。一方、貢献度にかかわらず負担度合に差はみられず、中でも「確認工程の増加」「閲覧制限」「システム不具合」の負担度合が高かった。
【考察】薬局薬剤師の日常業務におけるマイナ保険証受付及び患者同意に基づき閲覧できる情報確認の実践が、薬学的ケアの質向上に貢献することが示されている。一方で、貢献度の高低にかかわらず負担度スコアに有意差が見られなかったことから、薬剤師が抱える業務負担は、広く共通して感じられている可能性がある。
【方法】2025年3月時点で電子処方箋受付体制を有する日本保険薬局協会加盟の認定薬局を対象にWEBアンケートを実施。薬局特性、マイナ保険証利用率等の把握や、情報の確認状況、薬剤師業務への負担・貢献度を4~5段階で評価し、カイ二乗検定、相関分析により関連性を検討した。
【結果】1,006薬局の回答を集計。マイナ保険証利用率は平均42.1%、電子処方箋管理サービスに対する理解度が高い薬局は75.5%であり、マイナ保険証受付時に薬物治療の質や安全性向上につながる仕組みについて患者に頻繁に説明している薬局は62.6%であった。重複・併用禁忌チェック結果等の情報確認については、全4項目で「毎回または必要時に確認」が80%以上を占め、貢献度は13項目すべてで「中(3点)~非常に高い(5点)」の回答が半数を超えた。特に「服薬情報の把握」への貢献が顕著であった。統計解析では、情報確認を丁寧に行う薬局は貢献度が有意に高かった(Cohen’s d=0.58)。一方、貢献度にかかわらず負担度合に差はみられず、中でも「確認工程の増加」「閲覧制限」「システム不具合」の負担度合が高かった。
【考察】薬局薬剤師の日常業務におけるマイナ保険証受付及び患者同意に基づき閲覧できる情報確認の実践が、薬学的ケアの質向上に貢献することが示されている。一方で、貢献度の高低にかかわらず負担度スコアに有意差が見られなかったことから、薬剤師が抱える業務負担は、広く共通して感じられている可能性がある。
