講演情報

[O-6-08]高齢者とのコミュニケーション向上を目的としたゲームの開発研究

冨樫 香乃, 杉本 晃一, 阪本 里紗, 藤原 愛海, 山田 哲也, 北垣 邦彦, 益山 光一 (東京薬科大学)
【目的】患者のための薬局ビジョン策定以来、「対物から対人へ」と薬局業務のシフトが求められているが、対人業務が地域住民に十分に浸透しているとは言い難い。
そのような中、我々は、患者等とのコミュニケーション向上を目指し、高知県における地域特性や健康知識等のクイズを盛り込んだ双六ゲームを作成し、高知県において好評を得たところである。一方で、子供から高齢者まで幅広い層を想定したゲームであることから、高齢者が使用するにはいくつか課題も出てきた。本研究では、秋田県で高齢者施設においてコミュニケーションを図ることを目的とし、高知県版を改良した秋田県版の双六ゲーム案を作成し、高齢者への対人業務の円滑な実施に資する一助となるゲームの完成を目的としている。
【方法】先行研究で作成した高知県モデルの双六ゲームを参考にし、まず、高齢者向けに実施する場合の課題の抽出及び改良を行うとともに、秋田県バージョンとしてご当地クイズの作成を行った。次に、その作成した双六ゲーム案を、秋田県庁職員及び秋田県薬剤師会の薬剤師の先生方に実際に使用してもらい、そのゲームの内容等について、アンケート調査を実施した。
【結果・考察】高知県版の双六ゲームを参考に、秋田県版の高齢者向け双六ゲームを作成した。特に、高知県版では進行役の人の負担が大きいや、時間がかかりすぎてしまう、解説本が読みにくいという課題を踏まえ、秋田県バージョンでは、解説を削り、ゲームの解説も分かりやすくし、コマ数を少なくするとともに、その影響を踏まえゴール順ではなく、ポイントで順位が決まる形にした。また、カードに書かれてある秋田県のご当地ならではの問題としたゲーム案について、秋田県県庁職員の方々からのアドバイスを受けて、双六のカードに書いてある内容を修正するとともに、アンケート結果を踏まえた修正等を行った。
なお、本研究は興和株式会社の受託研究にて実施した研究である。