講演情報
[O-6-11]アメナメビルと脳症関連有害事象のシグナル解析:JADERデータベースを用いた年齢・性別・併用薬・時系列による補正的評価
○根本 真吾 ((株)アイセイ薬局 センター南店)
【目的】アメナリーフ®(アメナメビル)は帯状疱疹治療に用いられる抗ヘルペスウイルス薬であるが、一部の症例において脳症関連の有害事象が報告されている。しかし、これまでの研究では定量的なリスク評価が十分ではないため、本研究では、医薬品副作用データベース(JADER)を用い、アメナメビルと脳症関連有害事象との関連性について、他薬剤との比較を通じて明らかにすることを目的とした。また、年齢や性別等の交絡因子の影響についても補正的に検討した。
【方法】JADER(2024年6月30日報告分まで)を利用し、アメナメビルを含む報告症例と他薬剤を比較した。評価対象とする脳症関連有害事象はMedDRA標準検索式(SMQ)手引書の非感染性脳症/譫妄を参考に決定した。解析手法として、報告オッズ比(ROR)、比例報告比(PRR)、経験ベイズ幾何平均(EBGM)等を使用し、交絡因子である年齢や性別、併用薬(中枢神経作用薬)等を層別解析により補正した。報告年度別の脳症関連有害事象件数については、時系列解析を実施した。
【結果】アメナメビルに関して、脳症関連有害事象のシグナルが検出された。交絡因子補正後もシグナルは維持され、特に70歳以上の高齢者および男性における報告頻度が高い傾向が示された。報告年別においては、2018年および2023年に脳症関連有害事象の報告件数が増加していることが確認された。
【考察】本研究におけるシグナル解析では、アメナメビルにおける脳症関連有害事象のリスクが他薬剤に比べて高いことが示された。特に意識変容状態や髄膜炎などが顕著であり、高齢者や男性におけるリスクが高いことが確認された。しかし、JADERの自発報告データに基づくため、報告バイアスや情報欠落が存在する可能性がある。今後、実臨床データを用いた観察研究や後方視的コホート研究を通じた因果関係の検証が求められる。
【方法】JADER(2024年6月30日報告分まで)を利用し、アメナメビルを含む報告症例と他薬剤を比較した。評価対象とする脳症関連有害事象はMedDRA標準検索式(SMQ)手引書の非感染性脳症/譫妄を参考に決定した。解析手法として、報告オッズ比(ROR)、比例報告比(PRR)、経験ベイズ幾何平均(EBGM)等を使用し、交絡因子である年齢や性別、併用薬(中枢神経作用薬)等を層別解析により補正した。報告年度別の脳症関連有害事象件数については、時系列解析を実施した。
【結果】アメナメビルに関して、脳症関連有害事象のシグナルが検出された。交絡因子補正後もシグナルは維持され、特に70歳以上の高齢者および男性における報告頻度が高い傾向が示された。報告年別においては、2018年および2023年に脳症関連有害事象の報告件数が増加していることが確認された。
【考察】本研究におけるシグナル解析では、アメナメビルにおける脳症関連有害事象のリスクが他薬剤に比べて高いことが示された。特に意識変容状態や髄膜炎などが顕著であり、高齢者や男性におけるリスクが高いことが確認された。しかし、JADERの自発報告データに基づくため、報告バイアスや情報欠落が存在する可能性がある。今後、実臨床データを用いた観察研究や後方視的コホート研究を通じた因果関係の検証が求められる。
