講演情報

[O-6-12]医薬品リスク管理計画(RMP)利活用事例の調査および利活用事例集の作成

長濱 敬樹, 石田 和彦, 円谷 尊彦, 於勢 佳代子, 河井 茜, 西村 美紀, 芳賀 佳子, 茂利 梨絵, 山田 知子, 竹本 信也 (日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 ファーマコビジランス部会)
【目的】医療機関(主に調剤薬局)におけるRMPおよびRMP資材の活用事例を収集し、それらをまとめる。RMPの作り手である製薬業界から具体的な活用事例を幅広く紹介することで、医療機関における具体的な活用方法の理解、より効果的なリスク最小化策の実施を促す。これにより、さらなる医薬品の適正使用の推進および患者の安全確保を図る。
【方法】公表論文や学会発表からの情報収集および調剤薬局薬剤師からの意見聴取により、RMPおよびRMP資材の具体的な活用事例を抽出した。
【結果】調剤薬局におけるRMP及びRMP資材利活用の現状を明らかにした。2024年の診療報酬改定後、RMP利活用が以前と比較して促進されている傾向が見られた。RMPの活用事例として、重要なリスクを把握し、副作用モニタリングの一環で使用される事例があった。また、RMP資材へのアクセス向上の取り組みや、RMPまたはRMP資材の有無を判別しやすくするための仕組み作り、患者へのRMP資材を活用した情報提供・フォローアップの事例等が得られた。
【考察】調剤薬局におけるRMPおよびRMP資材の利活用は、診療報酬改定により促進されており、RMPやRMP資材へのアクセスを簡便にするための取り組みや、患者への具体的な情報提供の事例も認められた。RMPの活用は、未知の重要なリスクの早期発見とその最小化に寄与する。一例の紹介ではあるが、本発表を通じて、医療現場におけるRMP活用事例の理解が進み、より多くの調剤薬局においてRMPの活用が促進されることを期待する。また、産官学患でより効果的なRMP活用に関する議論が活発化し、患者の安全確保につながることを期待する。