講演情報

[O-6-13]スペーサーを用いたpMDI製剤の吸入指導についての社内意識調査

新保 もなみ1, 井上 奏2 (1.(株)共栄堂 みなづき薬局, 2.ホーム調剤薬局)
【目的】5歳以下の小児ではpMDI製剤(以下pMDI)吸入の際にはスペーサーの併用が推奨されている。そこで、薬局においてスペーサーを用いたpMDIの吸入指導(以下指導)がどの程度行われているか、現状の把握を目的としアンケート調査を行った。
【方法】2025年5月28日-30日、当社薬局薬剤師を対象とした。pMDIの指導経験の有無、6-15歳及び5歳以下の小児(保護者を含む)へのpMDI指導経験の有無、その際のスペーサー装着を前提とした指導経験の有無、それらの指導に対する自信とやりがいの度合い、5歳以下に対するスペーサー使用推奨の認識、更に管理薬剤師を対象に薬局でのスペーサーの備えを質問項目とし、GoogleFormsを用いた。
【結果】256件の回答を得た(回答率81.3%)。pMDIの指導経験者(86.3%)のうち、6-15歳及び5歳以下に対する指導経験割合は其々59.7%及び21.3%、全ての年代へのスペーサーを併用した指導経験割合は46.2%だった。スペーサー指導経験者において、6-15歳への経験割合54.9%に対し、5歳以下へは33.3%だった。pMDI指導へのやりがいは、どちらの年齢区分でも5を最も感じるとした5段階評価のうち3、4、5の順に回答が多かった。指導への自信については、どちらの年齢区分でも5段階評価で自信の程度がより低い3以下の回答が8割以上を占めた。5歳以下でスペーサー併用が推奨されるとの認識率は33.6%だった。説明用にスペーサーを常備している薬局は24.2%だった。
【考察】pMDI指導経験に関する回答結果から、5歳以下への指導の機会がより少ない事が示された。指導業務へのやりがいが強くなかった事は、機会が少ないが故の自信のなさも原因の一つと考えられる。一方で5歳以下におけるスペーサー推奨の認識率やスペーサー常備率が低かった事から、スペーサーの有効性と共に指導の工夫に関する情報共有を図り自信の度合いを改善する事が5歳以下への指導の充実に有用と考える。