講演情報

[O-6-21]オキシブチニン塩酸塩液の適正使用に向けた患者理解度及び効果・副作用調査

星野 直大, 稲生 翔太, 冨田 貴史, 松園 勝之, 宮崎 早耶香, 大石 真優, 坂下 友恵, SHIN EUNKYUNG, 松田 梨沙, 丸橋 真衣, 増田 千穂 (たんぽぽ薬局 (株))
【目的】原発性手掌多汗症治療薬のオキシブチニン塩酸塩液(以下OXYB)は、使用時における注意事項も多く、患者がそれらを正しく理解することが治療上重要である。今回、使用方法の理解度及び効果、副作用を調査することでOXYBの適正使用に繋げることを目的とする。
【方法】2024年8月~2025年1月までの期間、たんぽぽ薬局に来局しOXYBが処方された患者を対象に使用方法に関する理解度5項目(5点満点)及び効果、副作用を調査した。効果は多汗症疾患重症度評価尺度(HDSS)を指標とし、発汗の程度をスコア1(日常生活に全く支障なし)からスコア4(日常生活に常に支障あり)で評価した。次回来局時もしくはフォローアップ時に2回目の聞き取りを行った。
【結果】対象患者は25名、1回目の平均理解度スコアが5未満の患者は8名(32%)であった。8名の平均理解度スコアは1回目1.25、2回目は5.00であった。5項目のうち1回目の理解度が最も低かったのは「1回あたりの使用量」で平均スコアは0.00、次いで「使用タイミング」「翌日起床時の手洗い」で平均スコアは0.13であった。これら3項目の2回目の平均スコアは1.00であった。また、HDSSの平均スコアは1回目3.00、2回目1.88であった。
25名のうち、副作用は6名(24.0%)に発現し、「適用部位皮膚症状」が5名(20.0%)と最も多く、うち3名が「使用後直ちに」発現していた。また、1名が薬疹により開始2日後に中止になった。
使用開始後効果発現時期は「翌日」が18名と最も多かった。
【考察】薬局薬剤師の指導により理解度スコアの上昇に繋がった。中でも「1回あたりの使用量」「使用タイミング」「翌日起床時の手洗い」の理解度が低く、特に重点的な指導が求められる。OXYBは効果及び副作用が比較的早期に発現することから、服薬指導後の早期フォローアップが副作用の重篤化を防ぎ、適正使用を推進する上で重要である。