講演情報

[O-6-24]睡眠状況改善に向けた指導ツールの作成~管理栄養士と他職種の協働により見えてきたこと~

加藤 里奈1, 松本 美里2 (1.(株)育星会 カイセイ薬局 奈良店, 2.平尾店)
【目的】「健康日本21」の中の未病への取り組みの一つとして休養・睡眠に関する生活習慣の改善が挙げられている。「睡眠による休養を十分にとれていない者の割合」を低下させることを目標としているが、「健康日本21(第二次)」の最終評価時にはむしろ増加しており、睡眠状況の改善が喫緊の課題となっている。弊社では管理栄養士が一定レベルの食事や生活習慣に関する提案を行えるよう疾患ごとにアドバイスシート(以下、シート)を作成し、患者指導に活用しているが、睡眠に関するシートは無かったため、新たに作成することとした。
【方法】管理栄養士が睡眠に影響する栄養素や食材、生活上の注意などを中心に既存の形式に沿ってシートを作成した。その後、管理栄養士在籍店舗の薬剤師及び医療事務員にシートを確認してもらい、患者への配布を想定した意見を収集した。それを基にシートに修正を加え完成とした。
【結果】薬剤師と医療事務員の双方からは「食材の適正量を具体的に知りたい」、薬剤師からは「薬と食材の相互作用や疾患による注意等の記載が不足している」などの意見が挙がった。これらを踏まえ、過剰摂取に注意が必要な食材に対する摂取目安量や、薬や疾患への影響があるものへの注意について記載し、より実践しやすいシートを完成させた。
【考察】薬剤師の専門知識と医療事務員の患者目線の意見を加えることで、既存のシートに比べ、より具体的で患者が実践しやすいシートができたと考える。このシートにより、患者自身が睡眠について見直すきっかけとなり、生活習慣病の予防や心の健康の維持に繋がることに期待したい。また、他職種がシート作成に携わり社内でのシートの認知度が上がったことで、管理栄養士不在時でも患者へのシートの配布頻度が高まると予想される。管理栄養士だけで作成した既存のシートについても他職種の意見を取り入れ、ブラッシュアップしていきたい。