講演情報

[O-6-32](株)トモズ在籍の薬局薬剤師における一般性自己効力感とかかりつけ薬剤師業務との関連

佐治 公寛1, 浅羽 広寛2 (1.(株)トモズ 薬局トモズ 青葉台店, 2.薬剤部)
【目的】近年、薬局薬剤師はかかりつけ薬剤師の機能を果たすことが求められているが、かかりつけ薬剤師指導料の算定率は低い割合にとどまっている。社会学習理論における概念である一般性自己効力感(以下、GSE)は、尺度を用いて得点化することで課題に対する個人の行動を予測できるという特徴がある。本研究の目的は、GSEとかかりつけ薬剤師同意取得経験(以下、同意取得)の関係を明らかにし、かかりつけ機能の発揮につながる研修・教育方針策定の一助とすることである。
【方法】2025年5月2日~2025年5月10日に、薬局トモズ在籍薬剤師を対象にGoogleフォームを用いて匿名アンケート調査を行った。調査項目は参加者属性やGSE、同意取得の有無、保険薬局勤務経験年数(以下、経験年数)とした。GSEの指標として一般性セルフ・エフィカシー尺度(以下、GSES)を用いた。経験年数3年以上の回答を抽出し、既報を基にGSES9点以下を低得点群、10点以上を高得点群とした。群分けに基づき、GSESと同意取得の関係についてカイ二乗検定を行った。また、経験年数が長いほど同意取得の機会が多いことを考慮し、同意取得を目的変数、GSESによる群分けと経験年数を説明変数としてロジスティック回帰分析を行った。
【結果】カイ二乗検定の結果、高得点群(n=41)は低得点群(n=134)よりも同意取得がある割合が有意に高かった(p<0.05)。ロジスティック回帰分析の結果、GSES得点(OR=2.420、CI=1.050、5.56、p<0.05)と経験年数(OR=1.410、CI=1.050、1.90、p<0.05)が同意取得と有意に関連していた。尤度比検定の結果、本分析モデルの有意性が示された(p<0.001)。
【考察】結果はGSEが同意取得に影響することを示唆している。GSEは変動するものであることが知られており、向上させるための働きかけ方が確立されている。これらのことから、GSEはかかりつけ機能発揮につながる研修・教育方針策定の一助となる可能性がある。