講演情報
[P-006-C]ビソプロロール錠増量に伴う心不全の急性増悪を早期発見し、再受診を促したことで入院を要する重症化を防いだ1例
○杉本 佳穂, 山田 真弘, 濱田 侑希 (アイングループ (株)ファーマシィ ファーマシィ薬局病院前)
【目的】心不全は急性増悪を繰り返し徐々に悪化するため、発症の予防や発症後のフォローアップで寛解状態を維持することが重要である。薬剤師は症状経過の確認や生活指導、必要に応じて受診勧奨を実施し、急性増悪や入院を要する重症化予防に寄与する必要がある。
【症例の概要】循環器内科にて高血圧治療のためロサルヒド配合錠LDに加え、X日からビソプロロール錠0.625mg0.5錠を服用中であった。ビソプロロール錠0.625mgを1錠に増加したX+28日の7日後の他科受診時にラメルテオン錠が処方された。症状確認の際、起座呼吸による不眠、労作時の息切れや浮腫を聴取した。心不全の急性増悪の可能性があると判断し、再受診を促した。
【結果及び考察】当日の再検査にて、肺水腫が確認された。BNPの485.1pg/mLから1905pg/mLの上昇と、増量後6日間での3kgの体重増加より、ビソプロロール錠増量に伴う心不全の急性増悪と診断された。ラメルテオン錠と原因薬剤であるビソプロロール錠を中止し、アゾセミド錠30mg、スピロノラクトン錠25mgが追加された。X+36日のフォローアップ時に、塩分の過剰摂取傾向を聴取したため、心負荷や体液貯留の要因になる旨を説明し、塩分指導を実施した。経過良好でX+55日に利尿剤を減量後、治療開始のX+35日からX+82日で体重が48.5kgから42kgに落ち、BNPも56.6pg/mLに低下した。呼吸困難や起座呼吸もなく、利尿剤は継続のまま、ビソプロロール錠0.625mg1錠を再開し経過観察中である。
患者の主訴を正しく理解し、起座呼吸を見逃さなかったことで早期発見に繋がった。副作用の見逃しを防ぐために、患者情報や薬剤、疾患の知識を基に、薬物治療の適切な評価が必要である。特に処方変更や用量変更があった際に他科処方の来局時でも症状経過を確認し、評価することが大切であると考える。
【症例の概要】循環器内科にて高血圧治療のためロサルヒド配合錠LDに加え、X日からビソプロロール錠0.625mg0.5錠を服用中であった。ビソプロロール錠0.625mgを1錠に増加したX+28日の7日後の他科受診時にラメルテオン錠が処方された。症状確認の際、起座呼吸による不眠、労作時の息切れや浮腫を聴取した。心不全の急性増悪の可能性があると判断し、再受診を促した。
【結果及び考察】当日の再検査にて、肺水腫が確認された。BNPの485.1pg/mLから1905pg/mLの上昇と、増量後6日間での3kgの体重増加より、ビソプロロール錠増量に伴う心不全の急性増悪と診断された。ラメルテオン錠と原因薬剤であるビソプロロール錠を中止し、アゾセミド錠30mg、スピロノラクトン錠25mgが追加された。X+36日のフォローアップ時に、塩分の過剰摂取傾向を聴取したため、心負荷や体液貯留の要因になる旨を説明し、塩分指導を実施した。経過良好でX+55日に利尿剤を減量後、治療開始のX+35日からX+82日で体重が48.5kgから42kgに落ち、BNPも56.6pg/mLに低下した。呼吸困難や起座呼吸もなく、利尿剤は継続のまま、ビソプロロール錠0.625mg1錠を再開し経過観察中である。
患者の主訴を正しく理解し、起座呼吸を見逃さなかったことで早期発見に繋がった。副作用の見逃しを防ぐために、患者情報や薬剤、疾患の知識を基に、薬物治療の適切な評価が必要である。特に処方変更や用量変更があった際に他科処方の来局時でも症状経過を確認し、評価することが大切であると考える。
