講演情報
[P-014-B]がん患者フォローアップ体制の整備によるトレーシングレポート件数増加への実践的取り組み
○崎間 公多郎1, 梶尾 匠1, 高橋 侑里1, 埜澤 桜子1, 森崎 陵士1, 高田 一志1, 田仲 義弘2, 花光 栄司2 (1.北海道ファーマライズ(株) 五稜郭調剤薬局, 2.ファーマライズホールディングス(株))
【目的】当薬局は函館二次医療圏の急性期病院の近隣に位置し、年間約200名の抗がん剤治療中の患者(以下、対象患者)が来局している。この背景を踏まえ、地域のがん医療を支える薬局としての機能を強化するため、専門医療機関連携薬局の認定取得を目指した。認定要件の一つである、対象患者の半数以上へのトレーシングレポート(以下、TR)提出実績を達成するには、提出件数の増加および内容の質的向上が課題であった。
【方法】まず、患者フォローアップ体制の整備として、対象患者対応マニュアルを策定し、服薬指導からTR提出に至るまでの業務フローを薬剤師間で標準化した。また、テレフォンフォローアップの予定をカレンダーで共有し、タスクを可視化して実施漏れを防止した。
次に、業務効率化の取り組みとして、病院指定のTR書式にExcelの自動入力機能を導入し、手書き作業を削減した。さらに、TR提出件数の進捗を管理・集計するExcelツールを独自に作成し、目標件数に対する進捗を可視化することで薬剤師の提出への意識を高めた。
また、TRの質的向上を図るため、 外来がん治療専門薬剤師がTR作成を支援し、助言やフィードバックを行った。さらに社内がんチームによる月1回のオンライン勉強会を継続開催することで、薬剤師全体の知識とスキルの底上げを図った。
【結果】TR提出件数は取り組み前の年間25件から125件へと大幅に増加し、認定要件を満たして2024年11月に専門医療機関連携薬局の認定を取得した。加えて、TRを通じた支持療法の提案によって副作用軽減が認められた事例や、不要処方中止の提案による処方適正化など、具体的な薬学的介入効果も多数確認された。
【考察】TR提出の推進には、患者フォローアップ体制の整備、業務効率化、薬剤師教育の三位一体の取り組みが有効であった。今後は専門医療機関連携薬局として、地域医療機関との更なる連携強化および継続的かつ体系的な教育体制の充実が求められる。
【方法】まず、患者フォローアップ体制の整備として、対象患者対応マニュアルを策定し、服薬指導からTR提出に至るまでの業務フローを薬剤師間で標準化した。また、テレフォンフォローアップの予定をカレンダーで共有し、タスクを可視化して実施漏れを防止した。
次に、業務効率化の取り組みとして、病院指定のTR書式にExcelの自動入力機能を導入し、手書き作業を削減した。さらに、TR提出件数の進捗を管理・集計するExcelツールを独自に作成し、目標件数に対する進捗を可視化することで薬剤師の提出への意識を高めた。
また、TRの質的向上を図るため、 外来がん治療専門薬剤師がTR作成を支援し、助言やフィードバックを行った。さらに社内がんチームによる月1回のオンライン勉強会を継続開催することで、薬剤師全体の知識とスキルの底上げを図った。
【結果】TR提出件数は取り組み前の年間25件から125件へと大幅に増加し、認定要件を満たして2024年11月に専門医療機関連携薬局の認定を取得した。加えて、TRを通じた支持療法の提案によって副作用軽減が認められた事例や、不要処方中止の提案による処方適正化など、具体的な薬学的介入効果も多数確認された。
【考察】TR提出の推進には、患者フォローアップ体制の整備、業務効率化、薬剤師教育の三位一体の取り組みが有効であった。今後は専門医療機関連携薬局として、地域医療機関との更なる連携強化および継続的かつ体系的な教育体制の充実が求められる。
