講演情報

[P-025-A]フォローアップ業務を通して精神疾患患者のサポート及び処方変更・減薬への貢献

山崎 裕己1, 巽 清2 (1.サン薬局桜井店, 2.(株)関西メディコ)
【目的】精神疾患の患者数は年々増加傾向にある。それに伴い入院治療から外来での治療に重きを置く医療機関も多い。今回は薬局薬剤師として投薬後のフォローアップ業務がどの程度患者サポートに繋がっているのか調査。またその後の処方変更の割合も調べ有用性を検証。
【方法】近隣の精神科医院の患者に対しショートメッセージを利用したフォローアップ業務を令和7年1月から開始。令和7年4月末までのフォローアップ内容やトレーシングレポート(以下TR)、その後の処方内容等を調査。
【結果】期間中に99名の患者にフォローアップ業務を実施。その内82名の患者から返信がありフォローアップ業務を実施出来た。82名の内29名が何かしらの体調不良を訴える内容だった。その内容を医療機関にもTRを用いて報告。次回受診時に83%にあたる24名が薬剤変更や用法用量の増減処方に繋がった。
また53名が経過良好又は体調変化がない旨の連絡があり次回受診時にDo処方が21名、薬剤減量・減薬に繋がった患者が16名。ただし体調悪化に伴う薬剤変更や増量処方も30%にあたる16名含まれていた。
【考察】投薬後から次回診察までの期間中に行うフォローアップ業務は患者の様子を確認出来る重要業務の一つである事を再認識した。またTRを作成・提出し普段より処方医と意見交換を重ねる事で次回診察時に患者の現状に沿った処方変更に繋がっている事も分かった。しかし中には現在の体調を正直に伝えられない・伝えきれない患者もいる事が推測出来る結果ともなった。精神疾患の患者に限らず信頼関係を築けていないとフォローアップ業務も十分に機能しない事も容易に想像出来る。薬局薬剤師としてフォローアップ業務を通して患者サポートに繋がっていると同時に、継続したサポートには患者との信頼関係構築と医療機関との連携も必須である事も推測出来る。