講演情報
[P-028-A]地域薬局における無菌調剤の現状と今後の展望
○美濃谷 翔, 大田 善三郎, 田子 雅人, 遠藤 友理恵 ((株)くすりのマルト)
【目的】くすりのマルト(以下、当薬局)では、福島県いわき市内に2つの無菌調剤室、茨城県内2台のクリーンベンチを導入し、無菌調剤の外来処方に備えている。昨年、いわき市内で小児の中心静脈栄養における輸液の混注に関する処方箋を受け付けたのを機に、当薬局における薬剤師の無菌調剤に関わる知識・手技不足が課題となった。現在、要介護・要支援者は700万人以上となっており、対象者は毎年10万人近く増加している。昨今の高齢化社会において、地域薬局における在宅医療の重要性が増しており、それに伴う無菌調剤を行うための環境整備は急務であるとらえ、最終的には全店舗・全薬剤師が無菌調剤を受け入れ可能な態勢を確立することを目的とする。
【方法】当薬局の無菌調剤マニュアルを元に技能・知識に関する当薬局勤務薬剤師115名にアンケート調査を実施した。アンケート結果をもとに、フォローアップを必要とする職員をグラデーションし、対応する研修を行うことで無菌調剤に対する意識がどの程度変化したかをアンケートにより調査した。
【結果】アンケート回収率は90%以上となり、知識の理解度は卒業後の経過年数が関連していた。研修後、対象者に再度アンケートスコアによる理解度と無菌調剤に対する意識変化を調査した結果、研修前より理解度、意識ともに向上した。
【考察】結果より、薬剤師個々の経験年数や教育背景が無菌調剤の理解度に影響する可能性が示唆された。研修によって知識不足を補うだけでなく、意識面の改善も図れたことは、実地での対応力向上につながる点で重要である。今後は、定期的な研修やシミュレーションの実施により、さらなるスキルの定着と全店舗での受け入れ態勢の構築を目指す必要がある。また、地域における在宅医療の需要が増す中で、薬剤師が無菌調剤に関して自信をもって対応できる体制の確立は、地域包括ケアにおける薬局の役割強化にもつながると考えられる。
【方法】当薬局の無菌調剤マニュアルを元に技能・知識に関する当薬局勤務薬剤師115名にアンケート調査を実施した。アンケート結果をもとに、フォローアップを必要とする職員をグラデーションし、対応する研修を行うことで無菌調剤に対する意識がどの程度変化したかをアンケートにより調査した。
【結果】アンケート回収率は90%以上となり、知識の理解度は卒業後の経過年数が関連していた。研修後、対象者に再度アンケートスコアによる理解度と無菌調剤に対する意識変化を調査した結果、研修前より理解度、意識ともに向上した。
【考察】結果より、薬剤師個々の経験年数や教育背景が無菌調剤の理解度に影響する可能性が示唆された。研修によって知識不足を補うだけでなく、意識面の改善も図れたことは、実地での対応力向上につながる点で重要である。今後は、定期的な研修やシミュレーションの実施により、さらなるスキルの定着と全店舗での受け入れ態勢の構築を目指す必要がある。また、地域における在宅医療の需要が増す中で、薬剤師が無菌調剤に関して自信をもって対応できる体制の確立は、地域包括ケアにおける薬局の役割強化にもつながると考えられる。
