講演情報
[P-034-A]糖尿病患者におけるインスリン注射時の液漏れに対する保険薬局薬剤師の手技指導の取り組み
○長友 宏樹1, 松澤 郁美2, 小八重 亜珠4, 有園 詩奈子3, 重松 博美1, 坂田 康高5 (1.総合メディカル(株)そうごう薬局 亀崎店, 2.日向店, 3.村角店, 4.池内店, 5.総合メディカル(株))
【目的】糖尿病患者において、インスリン注射時の注入時間不足は、注射部位の皮膚や針先から液漏れを引き起こし、正確なインスリン投与を妨げる要因となる。本研究は、糖尿病患者におけるインスリン注射時の皮膚および針先からの液漏れの状況を調査し、液漏れが認められた患者に対して資材を用いた注射手技指導を行い、液漏れの改善効果について検証したので報告する。
【方法】2024年4月から5月に宮崎県内のそうごう薬局9薬局に来局したインスリン製剤使用患者34名を対象に、液漏れの有無と液漏れの部位(皮膚・針先)を聴取した。液漏れが確認された患者には、資材およびストップウォッチを用いて適切な注入時間を指導し、1ヶ月後以降の来局時に、液漏れの状況、液漏れの部位、インスリン投与量、低血糖の発現について聴取した。(総合メディカル倫理審査委員会承認番号:SMG2023039)
【結果】34名中18名(53%)に液漏れが認められた。液漏れの部位は、皮膚と針先両方が10名、皮膚のみが5名、針先のみが3名であった。注射手技の指導後、18名中6名で液漏れが完全に消失、6名で頻度が減少したが、6名では改善が見られなかった。改善が見られなかった6名において、インスリン投与量の変化および低血糖症状は確認されなかった。一方、完全に改善した6名と頻度が減った6名の計12名において、インスリン投与量に変動はなかったものの、4名(33%)に低血糖の疑い、2名(17%)に血糖値低下の訴えが認められた。
【考察】インスリン使用患者の約半数に液漏れが認められたが、薬局薬剤師による1回の指導で液漏れ患者の約3分の2に改善が見られたことから、定期的な手技確認と指導の重要性が示唆された。また、液漏れが改善した患者に低血糖関連症状が見られたことから、液漏れに対する注射手技指導時にインスリン吸収量増加に伴う低血糖リスクに関する指導も重要であると考えられた。
【方法】2024年4月から5月に宮崎県内のそうごう薬局9薬局に来局したインスリン製剤使用患者34名を対象に、液漏れの有無と液漏れの部位(皮膚・針先)を聴取した。液漏れが確認された患者には、資材およびストップウォッチを用いて適切な注入時間を指導し、1ヶ月後以降の来局時に、液漏れの状況、液漏れの部位、インスリン投与量、低血糖の発現について聴取した。(総合メディカル倫理審査委員会承認番号:SMG2023039)
【結果】34名中18名(53%)に液漏れが認められた。液漏れの部位は、皮膚と針先両方が10名、皮膚のみが5名、針先のみが3名であった。注射手技の指導後、18名中6名で液漏れが完全に消失、6名で頻度が減少したが、6名では改善が見られなかった。改善が見られなかった6名において、インスリン投与量の変化および低血糖症状は確認されなかった。一方、完全に改善した6名と頻度が減った6名の計12名において、インスリン投与量に変動はなかったものの、4名(33%)に低血糖の疑い、2名(17%)に血糖値低下の訴えが認められた。
【考察】インスリン使用患者の約半数に液漏れが認められたが、薬局薬剤師による1回の指導で液漏れ患者の約3分の2に改善が見られたことから、定期的な手技確認と指導の重要性が示唆された。また、液漏れが改善した患者に低血糖関連症状が見られたことから、液漏れに対する注射手技指導時にインスリン吸収量増加に伴う低血糖リスクに関する指導も重要であると考えられた。
