講演情報

[P-037-A]服薬指導による低血糖の理解度向上へのアプローチ

大貫 友理子1, 斎藤 富加2, 木村 佑有子3, 眞鍋 理恵3 (1.(株)なの花東日本 なの花薬局池尻大橋店, 2.海老名扇町店, 3.新砂店)
【目的】糖尿病治療薬服用中の低血糖は大きなリスクである。本研究は、糖尿病治療において、低血糖症状や対処法、シックデイに関する薬剤師の指導が患者の理解度に影響を与えるのか調査し、服薬指導をより充実させることを目的とした。
【方法】2024年9月19日~2024年12月31日に、なの花東日本の海老名中央店、新砂店、池尻大橋店、海老名扇町店、新百合ヶ丘店、鶴川大通り店の6店舗に来局した、糖尿病治療薬を1剤以上服用中の20才以上の2型糖尿病患者を対象として低血糖に関するミニテストを実施した。低血糖の具体的な症状、低血糖時に早急に摂取するべき食品、シックデイ時の対応含む血糖管理における生活上の注意点を設問として18点満点の加点方式で採点した。回答後にイラスト付きの資料を用いて指導を行った。28日以上あけて再度選択肢の順序を入れ替えた同じ内容のミニテストを実施し、指導前後での点数推移を評価した。
【結果】有効回答者数は25名(71%)であった。そのうち14名(56%)でスコアが向上し、6名(24%)が変わらず、5名(20%)が下がった。スコアが向上した14名では、低血糖症状を選択する設問においてスコアが平均1.7点向上していたのに対し、シックデイ等の血糖管理に関するスコアの向上は、平均1.1点に留まった。
【考察】イラスト付きの資料を用いた服薬指導は、糖尿病患者の低血糖症状の理解度の向上に有用な可能性がある。一方、イラスト付きの資料を用いても、シックデイ等の血糖管理に関する項目の理解度の向上は低血糖症状に劣った。原因の一つとして資料の情報量が多かったことが挙げられる。そのため、スコアの向上が見られなかった分野は、重点的に繰り返し指導を行うことで、理解度の向上につながり、より充実した服薬指導になると考える。
【キーワード】2型糖尿病、低血糖、服薬指導、理解度調査