講演情報
[P-047-B]外来がん化学療法中の患者に対し、薬局薬剤師が継続的に介入した一症例
○清水 結1, 師藤 成美1, 前田 守2, 月岡 良太2, 長谷川 佳孝2, 大石 美也2 (1.アイングループ (株)アイン中央 アイン薬局 島根店, 2.アイングループ (株)アインホールディングス)
【目的】近年、増加している外来がん化学療法においては患者による服薬管理と副作用管理が必要であり、それには薬局薬剤師が継続的かつ的確な服薬フォローアップ(FU)と情報提供を行うことが重要である。今回、継続した電話FUによる症例を提示し、薬局薬剤師の果たすべき役割について考察した。
【症例】50歳代女性、S-1+オキサリプラチン+ベバシズマブ(SOX+BEV)療法中の大腸がん患者が2コース目Day1に来局し、プレガバリン(PRG)等が処方された。2コース目Day8、FUにてふらつきの発現を聴取した。新規開始したPRGによる影響と考え、トレーシングレポート(TR)にて医師へPRGの減量を提案し、3コース目Day1にPRGは中止となった。同日、好中球数の減少もあり、治療延期となった。3週間後に再開となったが、4コース目Day8のFUにて痺れの増悪があり転倒したことを聴取した。OXによる末梢性感覚ニューロパチー Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) Grade3と判断し、TRにてOXの減量を提案し、5コース目Day1、OXが一段階減量となった。5コース目Day15、FUにて鼻出血によりS-1を自己中断していたことを聴取した。鼻出血はBEVによる可能性が高いことを説明し、今後S-1の自己中断はせず体調不良時は医療機関に連絡するよう指導した。その後、病態進行によりレジメンは変更となったが、現在も継続介入中である。
【考察】本症例では、4コース目のFUで痺れの増悪を聴取し、根拠に基づいた情報提供をおこなったことで、さらなる増悪を防ぐことができた。5コース目ではS-1服用終了日に自己中断していたことが判明したため、FUの実施日については経口抗がん薬の服用期間中に行う等の再検討が必要である。今回、継続的なFUと医療機関との連携により、SOX+BEV療法の安全管理に寄与できた。今後も、安全な外来がん化学療法の継続に貢献するために、患者状況の把握や情報提供を積極的に行うことが重要だと考える。
【症例】50歳代女性、S-1+オキサリプラチン+ベバシズマブ(SOX+BEV)療法中の大腸がん患者が2コース目Day1に来局し、プレガバリン(PRG)等が処方された。2コース目Day8、FUにてふらつきの発現を聴取した。新規開始したPRGによる影響と考え、トレーシングレポート(TR)にて医師へPRGの減量を提案し、3コース目Day1にPRGは中止となった。同日、好中球数の減少もあり、治療延期となった。3週間後に再開となったが、4コース目Day8のFUにて痺れの増悪があり転倒したことを聴取した。OXによる末梢性感覚ニューロパチー Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) Grade3と判断し、TRにてOXの減量を提案し、5コース目Day1、OXが一段階減量となった。5コース目Day15、FUにて鼻出血によりS-1を自己中断していたことを聴取した。鼻出血はBEVによる可能性が高いことを説明し、今後S-1の自己中断はせず体調不良時は医療機関に連絡するよう指導した。その後、病態進行によりレジメンは変更となったが、現在も継続介入中である。
【考察】本症例では、4コース目のFUで痺れの増悪を聴取し、根拠に基づいた情報提供をおこなったことで、さらなる増悪を防ぐことができた。5コース目ではS-1服用終了日に自己中断していたことが判明したため、FUの実施日については経口抗がん薬の服用期間中に行う等の再検討が必要である。今回、継続的なFUと医療機関との連携により、SOX+BEV療法の安全管理に寄与できた。今後も、安全な外来がん化学療法の継続に貢献するために、患者状況の把握や情報提供を積極的に行うことが重要だと考える。
