講演情報

[P-048-C]抗精神病薬服用患者への電話フォローアップによる影響および満足度調査

柴崎 美帆1, 則武 隆佑1, 登坂 麻由子1, 石上 絵里奈1, 室谷 羽希1, 鈴木 太智3, 大塚 康華2, 郡司 愛由佳2, 神田 光騎2, 猪瀬 百々子2, 小舟 伴和4, 山本 雅明4 (1.トモズ(株) 薬局トモズ 亀戸東口店, 2.お花茶屋店, 3.大手町カンファレンスセンター店, 4.薬剤部)
【目的】抗精神病薬のオランザピン錠、クエチアピン錠、アリピプラゾール錠(以降、対象薬剤)は、添付文書警告欄に高血糖症状に関する記載がある。服用開始後、患者フォローアップ(以降、FU)により症状の兆候を早期に察知し医師へ情報提供を行うことで、重大な副作用発現を未然に防止する。今回はFU後の処方内容への影響および治療経過、患者満足度について調査。
【方法】対象患者の選定は、対象薬剤の〈初回服用の患者・副作用歴のある患者・2か月以上中断期間のある患者〉とした。投薬時にFU希望の意思を確認し、希望者のみ実施。FU後に医師に対して服薬情報提供を行った。そして次回来局時に、処方内容および体調変化の確認、研究に関する同意を取得できた患者にFU満足度についてアンケートを実施し、今研究の該当患者とした。FU時の確認事項は〈服薬状況、効果、副作用〉の3点であり、調査期間は2024年7月1日~2025年4月30日とした。
【結果】対象患者170人のうち該当患者は88人であった。44人に副作用の報告があり、 血糖値変動に伴う副作用の可能性でFU後に処方変更された患者は13人中8人であった。他の副作用報告事例を含め、FU時の服薬指導およびFU後の処方変更により、44人中26人に副作用の改善がみられた。また、該当患者のうち、FUが安心感に繋がると回答した患者は92%であった。
【考察】副作用の可能性を考慮した処方変更がされ、その後の改善傾向が半数以上にみられた。また、多くの患者から肯定的意見を得られたことから、FUにおける薬剤師の治療貢献度は大いにあると考えられる。すべての薬剤・患者に対して薬剤師が必要と判断した際にFUを行うことで、医療連携体制への積極的参加・治療の促進・患者の不安感解消に繋がり、より良い医療体制を築けると考えられる。