講演情報

[P-068-B]調剤薬局管理栄養士から発信した地域連携の取り組み

入澤 彩乃, 山中 ゆかり ((株)なの花東日本 なの花薬局辻堂店)
【目的】当薬局では、これまで管理栄養士(以下、栄養士)が来局患者に対して栄養相談を行ってきたものの、地域に対する外部での活動は出来ていなかった。しかし、調剤薬局の役割は薬の提供にとどまらず、地域の健康を担うことも重要である。そこで、地域との連携を深めるために栄養士が地域の団体に赴き、積極的介入を行った。
【活動内容】2023年1月より、地域住民の状況を把握するため地域ケア会議への参加要望を出し、近隣のサービス高齢者住宅(以下、サ高住)や地域包括支援センター(以下、包括)の主催の会に積極的に参加した。薬剤師と連携し薬・栄養講話、健康相談会を通じた、地域への健康発信や栄養サポートが出来ることを継続的にアピールした。
【結果】2023年10月~2024年3月までは自主的に参加していたが、2024年4月~2025年4月には包括や地域の団体から依頼を受け、地域ケア会議1回、栄養講話4回、健康イベント3回、パーキンソン病患者の会などに12回、地域健康交流会2回、栄養料理教室1回実施・参加した。包括からの紹介や主催イベントをきっかけに栄養相談が22件あった。また店舗の健康イベントでは薬局非利用者の参加にも繋がった。栄養料理教室では、外出が少ない独居高齢者の外出機会となり、複数人での食事を喜ぶ声が聞かれた。これらの様々な関わりを通し、門前医療機関以外からは0件だった在宅訪問の紹介を、計4件受けた。また、2024年3月に健康サポート薬局認定を受けた。
【考察】栄養士が外部へ積極的な介入を行い、食に特化した栄養士目線でのアプローチを続けることで、地域団体との関係性が作られ始めた。この活動を継続することで地域住民と繋がる機会が増え、薬局が身近な場所になり、地域住民が安心して暮らすための健康サポートへと寄与できる存在として、地域に浸透してきていると言える。今後は現在の地域だけではなく、他の地域へと取り組みを広げていきたい。