講演情報

[P-077-B]調剤薬局における基本受付業務自動化の効果判定

小泉 拓哉, 赤井 結喜 ((株)くすりの窓口 メディア事業部)
【目的】保険調剤の基本受付業務を自動化する手段として、ネット受付した処方内容を電子薬歴に自動連係するシステム(お薬自動連係)とAI処方箋受付機の2通りの手段を開発し、調剤薬局に提供している。自動化の効果判定を目的に、導入前後の処方箋受付回数およびマイナ保険証利用率、お薬手帳利用率の変化を検討した。
【方法】お薬自動連係の導入前(2023年7月1日から2023年12月31日)と、導入後(2024年1月1日から2024年6月30日)における、約8,000店舗分の処方箋受付回数およびマイナ保険証利用率、お薬手帳利用率を比較した。AI処方箋受付機導入前(2024年10月1日から2024年12月31日)と、導入後(2025年1月1日から2025年3月31日)における、3店舗分の処方箋受付回数およびマイナ保険証利用率、お薬手帳利用率を比較した。
【結果】お薬自動連係導入後、患者1名あたりの処方箋受付回数が0.86回有意に増加した。マイナ保険証の受付率およびお薬手帳利用率の変化は有意差がみられなかった。AI処方箋受付機導入後、マイナ保険証利用率が13%から27%に有意に増加した。患者1名あたりの処方箋受付回数およびお薬手帳利用率の変化は有意差がみられなかった。
【考察】お薬自動連係導入後の受付回数の増加について、入力時間の削減や薬局店舗の外にいる状態で受付、待ち時間を過ごすことができることによる利便性向上が寄与した可能性が考えられる。AI処方箋受付機導入後のマイナ保険証受付率増加について、システムがもれなく患者に案内することが要因の一つと考えられる。