講演情報

[P-080-B]GLP-1受容体作動薬で治療中の2型糖尿病患者における治療効果と問題点に関する継続調査

田中 蒔恵名1, 大竹 剛1, 富岡 香1, 横山 ゆずか2, 原田 真理3, 吉田 彩4, 藤田 隆宏5, 大曽根 恵子5 (1.(株)トモズ 駒沢駅前店, 2.中延店, 3.宮前平店, 4.ビーンズ新杉田店, 5.薬剤部)
【目的】我々は糖尿病患者の適正治療を推進すべく、第18回日本薬局学会学術総会でその成果を発表した「GLP-1受容体作動薬で治療継続中の2型糖尿病患者の治療効果と問題点に関する調査」にて、長期服用にも関わらず検査結果が再び悪化した患者が存在した。そこで調査施設数を拡大、アンケート項目に効果発現までの期間および副作用発現時期を追加し継続調査を行った。本研究はアンケートを通じ、GLP-1受容体作動薬使用開始前後における治療効果と問題点を明確にし、その適正使用推進への寄与を目的とする。
【方法】GLP-1製剤で3か月以上治療継続中の2型糖尿病患者に対し現在のHbA1cを聞き取り、投与開始直前・開始1か月後・3か月後・6か月後・1年以上後の薬歴記録と比較した。その他治療評価項目として体重変化量、服薬状況、食事・間食習慣の変化、食欲減退効果、有害事象、とそれによる治療への影響、運動習慣の変化と、患者評価項目として治療のメリット・デメリット、治療満足度(5段階評価)、薬局に求めるサービスを聞き取った。
【結果】対象患者計28名より回答入手、該当薬による治療継続期間は平均663日であった。投与開始前検査値を確認できた23名のうち10名でHbA1c1%以上減少、28名のうち22名で体重1kg以上減少を認め、治療満足度は平均3.67であった。
【考察】治療メリットとしては治療効果や体重減少など数値改善が多く、デメリットとしては薬代の負担が多い一方、それが治療継続に影響すると回答した患者はいなかった。多剤併用で治療中にGLP-1製剤を追加した患者が多いため、GLP-1製剤開始前後でのHbA1c大幅改善例は少ないが、血糖値安定後の肥満改善目的で使用する患者もおり、7名で10kg以上の体重大幅減少を認めた。消化器症状などの有害事象発現は開始2-4週以内の回答が多く、開始時および直後の服薬フォローが肝要である。以上より患者の治療目的の理解、専門知識提供による職能の発揮が求められる。