講演情報
[P-083-B]吸入剤による嗄声の発現に対し合剤・単剤の組み合わせの変更提案によりQOLを改善した一症例
○石井 七海 ((株)スギ薬局 阪神調剤薬局 神大店)
【目的】気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の吸入薬治療では、毎日の吸入継続が気道炎症や発作の抑制に重要とされる。吸入操作の煩雑さはアドヒアランス低下の要因となるため、吸入ステロイド薬(ICS)、長時間作用性β2刺激薬(LABA)、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)などの複数成分を一度に吸入できる合剤がアドヒアランス向上に寄与している。一方で、合剤は用量調整が困難で、副作用出現時の柔軟な対応が難しいという課題がある。本症例では、ICSによる嗄声に対し薬剤師が薬剤構成を見直すことで症状が改善し、QOLが向上したため報告する。
【介入経過とその結果】40代女性、喘息とCOPDのオーバーラップと診断され、ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入剤(ブデホル®)[ICS/LABA]とチオトロピウム臭化物水和物吸入剤(スピリーバ®)[LAMA]を使用していた。咳悪化時にはブデホル®を最大量である1日8吸入使用していた。患者は人前で話す職業であり、ある時期より嗄声が出現し、業務に支障をきたすようになった。吸入手技やうがいは適切に行えていることから、ICSの過量吸入による副作用と判断し、薬剤構成の見直しを検討した。ブデホル®+スピリーバ®から、シクレソニド吸入剤[ICS]+チオトロピウム臭化物水和物・オロダテロール塩酸塩吸入剤[LAMA/LABA]+プロカテロール塩酸塩水和物吸入剤[短時間作用性β2刺激薬(SABA)]への変更を提案した。処方変更後、咳と嗄声は改善し、業務への支障も解消された。
【考察】ICSによる嗄声は声帯への局所的影響が原因とされ、使用量の増加で悪化しやすい。本症例では、ICSとLABAを分けることで柔軟な用量調整が可能となり、ICSの副作用を軽減して治療継続が可能となった。合剤の利点を活かしつつ、副作用出現時には単剤への切り替えを含めた個別対応が重要と考える。
【介入経過とその結果】40代女性、喘息とCOPDのオーバーラップと診断され、ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入剤(ブデホル®)[ICS/LABA]とチオトロピウム臭化物水和物吸入剤(スピリーバ®)[LAMA]を使用していた。咳悪化時にはブデホル®を最大量である1日8吸入使用していた。患者は人前で話す職業であり、ある時期より嗄声が出現し、業務に支障をきたすようになった。吸入手技やうがいは適切に行えていることから、ICSの過量吸入による副作用と判断し、薬剤構成の見直しを検討した。ブデホル®+スピリーバ®から、シクレソニド吸入剤[ICS]+チオトロピウム臭化物水和物・オロダテロール塩酸塩吸入剤[LAMA/LABA]+プロカテロール塩酸塩水和物吸入剤[短時間作用性β2刺激薬(SABA)]への変更を提案した。処方変更後、咳と嗄声は改善し、業務への支障も解消された。
【考察】ICSによる嗄声は声帯への局所的影響が原因とされ、使用量の増加で悪化しやすい。本症例では、ICSとLABAを分けることで柔軟な用量調整が可能となり、ICSの副作用を軽減して治療継続が可能となった。合剤の利点を活かしつつ、副作用出現時には単剤への切り替えを含めた個別対応が重要と考える。
