講演情報

[P-092-B]可視化された睡眠データを基にした処方提案

近藤 佳代1, 佐島 進2 (1.マイライフ(株)オール薬局 楽々園店, 2.マイライフ(株) 薬局事業本部)
【目的】ポリファーマシー対応は薬剤師の重要な責務の一つである。薬学的観点のみではなく、患者状況を採血データのような客観的情報を併せたアプローチが重要だが薬局で入手できる情報は受動的かつ情報量に限界がある。本症例では患者状況の内、睡眠に着目し薬局で睡眠を可視化、定量的な情報へ変換する事で客観的情報を入手し、その情報と薬学的観点と併せて処方提案する事を目的として実施した。
【症例と方法】在宅療養中の90代男性で高血圧症、鬱病、不眠症、慢性気管支炎など複数基礎疾患による多剤服用されている。処方薬は変更なく経過していたが不眠の訴えが増えてきた為、現状把握目的で主治医へ睡眠の可視化を提案し処方提案することとした。可視化には【Active Sleep Analyzer】というパラマウント製の睡眠測定器を使用した。結果はトレーシングレポートと共に送付し医師と処方内容について協議を行った。就寝前内服薬 ミルタザピン錠15mg、ニトラゼパム錠5mg
【結果】2週間の測定結果、睡眠時間平均9時間と比較的充分であった。しかし、中途覚醒は平均42分あり1日1~2回程度確認された。不眠の訴えに確実性はあるものの、現在の内服薬を変更する必要性のない事を主治医とも再確認し、結果をもって患者も現状をご納得いただけた。又、この先覚醒回数が増える様なことがあれば再度可視化し検証する事もご了承された。
【考察】不眠の訴えなどの定性的情報は過剰投薬に繋がる可能性がある。本結果は医療従事者のみならず患者本人にも睡眠状況を確認し過剰処方防止が可能であることを示唆出来た。