講演情報
[P-100-A]保険薬局が運営する認定栄養ケア・ステーションの管理栄養士による心不全患者への在宅介入の事例
○本多 愛美1, 横田 敦子1, 奥嵜 沙恵1, 庄村 元希2 (1.(株)なの花中部 事業部, 2.事業部教育セクション)
【背景】日本では在宅医療の割合が年々増加しており、管理栄養士の在宅介入への必要性が高まっている。弊社が運営する認定栄養ケア・ステーションへ訪問看護師から介入依頼があった。看護師らは患者宅の食事について問題点を認識していたが、詳細な指導はできておらず専門的な栄養ケアを期待され、在宅訪問栄養指導の実施に至った。
【症例】90代男性、独居、要介護1。主疾患は慢性心不全・高血圧症、身長157.7cm(BMI20.6kg/m2)、中等度の浮腫あり。アスピリン腸溶錠100mg・アゾセミド錠30mg・ニフェジピン徐放錠40mg他、8種類を服用。20XX年6月より心不全の悪化防止と栄養管理を目的に、月1回の在宅訪問栄養指導を開始した。主食が全粥のため炭水化物不足、家族が調理する自宅の食事は主菜量が多くたんぱく質・塩分の過剰、患者本人が嚥下機能の低下を自覚していた。よって医師指示の減塩食と並行して主菜量の減少・誤嚥予防を目標とした。患者へ主菜量を減らすことで減塩になる旨を説明、調理者の家族にも食事内容や摂取量を確認し、肉・魚の代替にいも類の活用を提案した。簡易嚥下評価ツール(EAT-10)では8点と高リスクだったため、とろみ付き飲料の調理実演と試飲を実施した。更に顎引き嚥下を指導したところ効果があり、とろみなしでの飲水を希望したため嚥下方法の工夫で対応した。最終支援日の同年12月では心不全増悪なし・浮腫が軽度に改善と看護師より報告があり、食事記録よりいも類の活用と1品あたりの主菜量減少を確認した。
【考察】自身で調理しない患者は調理者に食事内容が委ねられるため、家族へ具体的な食品群の提案を行うことは有用であったと考えられる。また、本人の意向に寄り添った嚥下指導はQOL向上に繋がった。管理栄養士が栄養ケアを担うことで、多職種が役割を更に発揮できるため地域に関わる管理栄養士として積極的に介入していきたい。
【症例】90代男性、独居、要介護1。主疾患は慢性心不全・高血圧症、身長157.7cm(BMI20.6kg/m2)、中等度の浮腫あり。アスピリン腸溶錠100mg・アゾセミド錠30mg・ニフェジピン徐放錠40mg他、8種類を服用。20XX年6月より心不全の悪化防止と栄養管理を目的に、月1回の在宅訪問栄養指導を開始した。主食が全粥のため炭水化物不足、家族が調理する自宅の食事は主菜量が多くたんぱく質・塩分の過剰、患者本人が嚥下機能の低下を自覚していた。よって医師指示の減塩食と並行して主菜量の減少・誤嚥予防を目標とした。患者へ主菜量を減らすことで減塩になる旨を説明、調理者の家族にも食事内容や摂取量を確認し、肉・魚の代替にいも類の活用を提案した。簡易嚥下評価ツール(EAT-10)では8点と高リスクだったため、とろみ付き飲料の調理実演と試飲を実施した。更に顎引き嚥下を指導したところ効果があり、とろみなしでの飲水を希望したため嚥下方法の工夫で対応した。最終支援日の同年12月では心不全増悪なし・浮腫が軽度に改善と看護師より報告があり、食事記録よりいも類の活用と1品あたりの主菜量減少を確認した。
【考察】自身で調理しない患者は調理者に食事内容が委ねられるため、家族へ具体的な食品群の提案を行うことは有用であったと考えられる。また、本人の意向に寄り添った嚥下指導はQOL向上に繋がった。管理栄養士が栄養ケアを担うことで、多職種が役割を更に発揮できるため地域に関わる管理栄養士として積極的に介入していきたい。
