講演情報
[P-111-C]薬局管理栄養士による在宅訪問栄養食事指導の継続介入の課題と考察 ~単回介入で終了した症例を通して~
○石山 由理佳 (なの花薬局道央エリア認定栄養ケア・ステーション)
【背景】在宅訪問栄養食事指導(以下、在宅栄養指導)は継続介入により、状況の変化に応じたアドバイスの他、対象者の知識定着に繋がり、単回介入より高い効果が期待される。しかし在宅高齢者の摂食嚥下機能を維持するためには長期的な栄養管理が必要であるにも関わらず、次に繋がらない場合がある。今回、継続介入に至らなかった症例を基にその理由を考察し、継続介入を実現するための方策を検討する。
【症例】70歳代、男性。パーキンソン病により嚥下機能が低下し、介入時点で体重42kg、BMI15.6 kg/m2。地域ケア会議で配布した在宅栄養指導のチラシを見た娘より依頼があった。栄養状態の改善には継続介入が必要と判断し提案したが、1回目と2回目で料金に差が生じることを説明すると娘からは「改善傾向であれば2回目は不要」と申し出があった。初回介入時、嚥下機能低下が原因で食事に1時間かかること、その影響で食事量が減少しエネルギー充足率が不足していることが判明した。以上から誤嚥防止及び体重減少抑止を目標とし、嚥下状態に合った栄養補助食品の紹介、日常食における手軽な栄養強化法を提案した。
【経過】1か月後電話にて食事状況を確認。主食量の増加、昼食時の主菜追加、間食時少量高栄養食品の活用が見られた。その結果、体重は42.4kg(+0.4kg/月)に改善増加し体調も良好であった。再度継続介入の提案を妻に行ったが、当初の申し出通り2回目の介入には至らなかった。
【考察】継続介入に至らなかった要因として、1回目と2回目の料金差による高価な印象や、初回の指導により一時的な改善が見られ満足したことがあげられる。単回介入では経過観察が困難であり、栄養介入の有効性を十分に評価できないという懸念がある。今後は、初回介入時に栄養ケア計画書を作成し、長期目標と短期目標を共有することで、継続介入の必要性と長期的なメリットを事前に伝えることが重要である。
【症例】70歳代、男性。パーキンソン病により嚥下機能が低下し、介入時点で体重42kg、BMI15.6 kg/m2。地域ケア会議で配布した在宅栄養指導のチラシを見た娘より依頼があった。栄養状態の改善には継続介入が必要と判断し提案したが、1回目と2回目で料金に差が生じることを説明すると娘からは「改善傾向であれば2回目は不要」と申し出があった。初回介入時、嚥下機能低下が原因で食事に1時間かかること、その影響で食事量が減少しエネルギー充足率が不足していることが判明した。以上から誤嚥防止及び体重減少抑止を目標とし、嚥下状態に合った栄養補助食品の紹介、日常食における手軽な栄養強化法を提案した。
【経過】1か月後電話にて食事状況を確認。主食量の増加、昼食時の主菜追加、間食時少量高栄養食品の活用が見られた。その結果、体重は42.4kg(+0.4kg/月)に改善増加し体調も良好であった。再度継続介入の提案を妻に行ったが、当初の申し出通り2回目の介入には至らなかった。
【考察】継続介入に至らなかった要因として、1回目と2回目の料金差による高価な印象や、初回の指導により一時的な改善が見られ満足したことがあげられる。単回介入では経過観察が困難であり、栄養介入の有効性を十分に評価できないという懸念がある。今後は、初回介入時に栄養ケア計画書を作成し、長期目標と短期目標を共有することで、継続介入の必要性と長期的なメリットを事前に伝えることが重要である。
