講演情報
[P-115-A]薬剤師による処方提案が施設職員・施設入居者に与える影響:施設在宅における用法用量の変更と服薬簡素化の検討
○菱田 利恵1, 望月 一司2 (1.(株)アイセイ薬局 アイセイハート薬局 東雲店, 2.在宅推進部)
【目的】施設在宅における問題は多岐に渡る。中でも懸念されるのは服薬介助の負担増が職員の健康状態の悪化や入居者への不適切なケアに繋がる可能性がある点、さらに入居者の服薬回数や薬剤数の多さが服薬拒否や混乱を引き起こす要因となる点である。
これに対し、薬剤師が処方提案や薬剤・病態に関する説明を通じて介入することにより、看護師・介護士(以下、施設職員)の業務負担軽減や入居者の服薬環境の改善への貢献の余地があると考えた。
本研究では、薬剤師の介入が施設職員および入居者に与える影響を評価し、薬剤師の専門的関与がもたらす効果を考察する。
【方法】単施設・非盲検の事前事後介入研究として、有料老人ホームの施設職員7名と入居者8名を対象に、薬剤師が個々の状態に応じて服薬簡素化となる用法・用量の調整等を医師に処方提案し、医師・施設職員へ情報提供を行った。介入前後で服薬簡素化や多職種間の情報提供の効果について、施設職員および入居者にアンケートを実施した。
【結果】施設職員は介入前後で効果に対する変化はなかった。そのうち3名より「入居者は増える一方であるが施設職員の人数確保ができていないため、個々の把握ができず、負担が減った実感がない」とコメントがあった。
入居者への「薬を飲む大変さ」「医師や施設職員との意思疎通の円滑さ」「薬の情報の理解度」の質問において、介入前後でt検定を行った結果、それぞれP=0.004,0.227,0.014となった。
【考察】本研究により、施設職員にとっては今回の介入の仕方では職員の実質的な負担軽減に繋がらなかった一方、入居者にとっては負担軽減や安心感の向上といった効果があったと考える。アドヒアランスの向上に寄与したことで施設職員の負担軽減にも繋がると考えられるが、結果に結びつかなかったのは介入件数が少ないためと推察される。
よって今後はさらに多くの入居者に介入することで、より良い薬物治療につなげていきたい。
これに対し、薬剤師が処方提案や薬剤・病態に関する説明を通じて介入することにより、看護師・介護士(以下、施設職員)の業務負担軽減や入居者の服薬環境の改善への貢献の余地があると考えた。
本研究では、薬剤師の介入が施設職員および入居者に与える影響を評価し、薬剤師の専門的関与がもたらす効果を考察する。
【方法】単施設・非盲検の事前事後介入研究として、有料老人ホームの施設職員7名と入居者8名を対象に、薬剤師が個々の状態に応じて服薬簡素化となる用法・用量の調整等を医師に処方提案し、医師・施設職員へ情報提供を行った。介入前後で服薬簡素化や多職種間の情報提供の効果について、施設職員および入居者にアンケートを実施した。
【結果】施設職員は介入前後で効果に対する変化はなかった。そのうち3名より「入居者は増える一方であるが施設職員の人数確保ができていないため、個々の把握ができず、負担が減った実感がない」とコメントがあった。
入居者への「薬を飲む大変さ」「医師や施設職員との意思疎通の円滑さ」「薬の情報の理解度」の質問において、介入前後でt検定を行った結果、それぞれP=0.004,0.227,0.014となった。
【考察】本研究により、施設職員にとっては今回の介入の仕方では職員の実質的な負担軽減に繋がらなかった一方、入居者にとっては負担軽減や安心感の向上といった効果があったと考える。アドヒアランスの向上に寄与したことで施設職員の負担軽減にも繋がると考えられるが、結果に結びつかなかったのは介入件数が少ないためと推察される。
よって今後はさらに多くの入居者に介入することで、より良い薬物治療につなげていきたい。
