講演情報

[P-116-B]八王子市におけるトレーシングレポート運用に関する保険薬局へのアンケート調査

一場 慶裕1, 飯田 真弓1, 秋元 知也1, 川邉 麻衣子1, 三村 一平1, 添田 真司1, 丸谷 善紀1, 添石 遼平2 (1.東海大学医学部付属八王子病院 薬剤部 薬剤科, 2.一般社団法人 八王子薬剤師会)
【目的】東海大学医学部付属八王子病院(以下、当院)では、昨年度より医療機関向けコミュニケーションツール(以下、ツール)を用いたトレーシングレポート(以下、TR)の運用を開始した。今回、八王子市におけるTR運用の現状を把握するためアンケート調査を実施したので報告する。
【方法】2025年5月8日~18日の期間で八王子薬剤師会所属の保険薬局を対象にアンケート調査を実施した。内容は服薬情報等提供料2の算定状況、TRの提出方法及び返書の有無、ツールの導入状況等計16項目に関して調査し集計を行った。
【結果】149薬局中23薬局より回答を得た。19薬局が服薬情報等提供料2を算定していたが、TR提出後に医療機関からの受信完了報告あるいは返書がない薬局が大半であった。また、ツールを導入し、それを用いたTR提出を行っているのは1薬局であった。ツールを導入していない理由として、現在の運用で困っていないとの回答が9薬局で最も多かった。ツールを用いたTR運用を導入したいと回答したのは11薬局であり、業務の効率化やペーパーレス化が期待できるとの回答が多かった。
【考察】今回の調査結果より、医療機関側の返書が少ない現状が明らかとなったが、その理由としてFAXによるTRの場合、データ流用が出来ないことによる業務負担増大が一因である。ツールを介したTR運用により書式の統一化やペーパーレス化、返書作成の簡便化が期待できる。しかし近隣の医療機関がツールを導入していないとの回答が多くあったことから、今後のTR発展のためには医療機関側に積極的なツール導入アプローチが必要である。当院ではツールで受信したTRについては受信完了報告あるいは返書を全例で行っているため、当院のTR運用モデルを八王子薬剤師会で共有し、今後薬薬連携をより発展させていく。