講演情報
[P-117-C]クロザピン治療における薬薬連携-消化器症状発症患者への対応を経験した症例報告を通して-
○上條 千恵子1, 近藤 浩樹2, 和田 智仁4, 倉岡 徹1, ジョーンズ 千絵1, 坂井 竜太1, 羽佐田 祥浩4, 佐々木 直拓3 (1.ファーマライズ(株) 東海北陸支店 ファーマライズ薬局 日永店, 2.東海北陸支店 三重第一エリア長, 3.東海北陸支店, 4.社会医療法人居仁会 総合診療センターひなが 診療技術部薬剤課)
【目的】クロザピンは治療抵抗性統合失調症の患者に対して本邦で唯一使用できる抗精神病薬である。一方で顆粒球減少症、心筋炎、イレウスなど発症頻度は低いものの、致死的になり得る副作用のリスクがあるため、早期の把握と介入が不可欠である。今回、在宅訪問を実施しているクロザピン服用患者において、家族からの情報を元に病院薬剤師と協働し、消化器症状への対応を経験したので報告する。
【症例】50代男性、統合失調症。30年以上の治療歴を有し、複数の抗精神病薬の治療歴の後、X年6月に入院下でクロザピンが導入となった。250mgで精神症状は安定し、X年8月に退院となり、退院時に病院薬剤師と協働し、退院時共同指導を実施した。その際に、患者の同意を得て、週1回の在宅訪問を導入することとなった。以後、訪問看護、保険薬局からの在宅訪問などの社会資源を活用しながら、自宅で過ごされていた。
X+4年家族から、「腹痛の訴えがあり総合病院を受診したところ、虫垂炎と診断され、入院し手術となった。数日後に定期受診の予定だがどうしたら良いか。」と薬局に電話連絡があり、病院薬剤師および主治医に速やかに連絡し情報共有を行った。患者は手術後にイレウスを併発し、身体疾患の治療を優先するために、クロザピンは一旦休薬となった。退院後は、かかりつけの精神科病院へ転院し、クロザピンが再導入となっている。
【考察】本症例は、薬局薬剤師が家族からの情報提供を元に、医療機関と迅速な連携を取る事が出来た好事例であると考える。退院時共同指導などを通じて、病院薬剤師と顔の見える関係構築が出来ていたこともシームレスな連携が出来た大きな要因である。クロザピンは精神科領域において専門性の高い治療であり、今後も薬局薬剤師の立場で精神科医療チームの中で役割を果たしていきたい。
【症例】50代男性、統合失調症。30年以上の治療歴を有し、複数の抗精神病薬の治療歴の後、X年6月に入院下でクロザピンが導入となった。250mgで精神症状は安定し、X年8月に退院となり、退院時に病院薬剤師と協働し、退院時共同指導を実施した。その際に、患者の同意を得て、週1回の在宅訪問を導入することとなった。以後、訪問看護、保険薬局からの在宅訪問などの社会資源を活用しながら、自宅で過ごされていた。
X+4年家族から、「腹痛の訴えがあり総合病院を受診したところ、虫垂炎と診断され、入院し手術となった。数日後に定期受診の予定だがどうしたら良いか。」と薬局に電話連絡があり、病院薬剤師および主治医に速やかに連絡し情報共有を行った。患者は手術後にイレウスを併発し、身体疾患の治療を優先するために、クロザピンは一旦休薬となった。退院後は、かかりつけの精神科病院へ転院し、クロザピンが再導入となっている。
【考察】本症例は、薬局薬剤師が家族からの情報提供を元に、医療機関と迅速な連携を取る事が出来た好事例であると考える。退院時共同指導などを通じて、病院薬剤師と顔の見える関係構築が出来ていたこともシームレスな連携が出来た大きな要因である。クロザピンは精神科領域において専門性の高い治療であり、今後も薬局薬剤師の立場で精神科医療チームの中で役割を果たしていきたい。
