講演情報

[P-118-A]多職種連携と吸入実技指導から服薬アドヒアランス向上に寄与できた症例報告

菅原 航1, 高砂 豊1, 内藤 真実1, 宮後 憲1, 藤原 美穂1, 森本 優紀1, 河村 遥果1, 尾川 雄一2 (1.マイライフ(株)オール薬局堺町店, 2.オール薬局新栄橋店)
【目的】喘息やCOPDの治療において薬物療法の長期的管理の重要性は日本呼吸器学会が明示しており、患者が使用する薬剤の適切な薬物療法の継続的な教育と指導が保険薬剤師の重要な業務の一つである。当薬局は2015年頃より、吸入薬の使用方法について、外来窓口にて、患者本人へ文書での説明に加え、練習用吸入器や実薬を用いた外用吸入薬の実技指導を行っている。また薬の使用に際して、操作方法や手技・手順、治療への意欲・理解度、アドヒアランスの確認行うために電話でのフォローアップや次回来局された際に2回目の吸入実技指導も行っている。初回指導時には問題なく使用できていた患者でも、2回目の吸入確認で服薬アドヒアランス不良がみられる患者は少なくない。今回、医師や看護師、臨床検査技師と連携し吸入実技指導を通じて、薬剤の変更提案等で患者の服薬アドヒアランス向上に貢献することができたため、その症例を報告する。
【症例の概要】はじめに、医療機関と連携し吸入薬の標準的使用手順の取り決めを行った。吸入指導内容の情報提供方法に関する打ち合わせを毎月行い、情報提供書の雛形を作成した。当薬局は医療機関から情報提供書を頂き、吸入指導の依頼を受けた上で指導を行い、指導内容を情報提供書に記載し医療機関へ報告した。吸入指導の手順は日本アレルギー学会等の文献を参考にした。症例)70代男性。ICS/LABAのpMDI製剤吸入でむせ込みがあった。ホー吸入指導や吸入補助器具を活用していたが改善がみられなかった。薬局から他剤変更の相談を医療機関へ行い他pMDI製剤に変更された。改めて吸入指導を行いアドヒアランスが改善した。
【考察】医療機関や多職種と連携し、よりよい薬物療法の検討及び提案を行うことで患者の服薬アドヒアランス向上に貢献することができた。2回目の吸入指導の実践で把握できる服薬状況も多いため、今後も多職種との連携を密に行い適切な薬物療法を実践していきたい。