講演情報
[P-122-B]フルキンチニブ開始後の血圧上昇を含む副作用の発生率の後向き調査
○汐月 りか, 佐藤 友美, 桑原 勝太 (クオール(株) クオール薬局郡山店)
【目的】フルキンチニブ(以下、FRU)は2024年11月に上市された血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)阻害薬である。VEGFRを介した血管内皮増殖因子(VEGF)によるシグナル伝達は腫瘍血管新生及び腫瘍増殖において重要な役割を果たしており、VEGFR阻害薬はがん治療として広く用いられている。臨床試験において副作用発生頻度は高血圧が29.2%であり、Grade3以上は11.0%と多く、本研究では実臨床におけるFRU使用患者の高血圧を含む発生率およびそれに対する実際の対応方法について後ろ向きに調査した。
【方法】2024年12月から2025年4月までにFRUが処方された患者を対象とし、薬歴から年齢、性別、薬剤用量、確認した副作用とそのグレード、対応方法、対応後の転帰について収集した。評価項目は高血圧を含む副作用の発生頻度とし、CTCAEグレードver 5.0を用いて分類した。
【結果】対象患者は6名であった。FRU開始後に血圧が上昇した患者は5名(83.3%)であり、5名ともGrade2であった。うち4名が降圧剤追加となり、3名がアンジオテンシン2受容体拮抗薬(ARB)追加となったが、そのうち2名はCa拮抗薬も追加となった。Ca拮抗薬のみ追加は1名であった。手足症候群は5名(83.3%)、甲状腺機能低下は2名(33.3%)、尿蛋白は1名(16.7%)の患者にみられた。
【考察】追加される降圧剤の第一選択薬はARBが最多であり、臨床試験において尿蛋白の発生報告もあることから、降圧作用および腎保護作用を期待していると考えられる。降圧剤の追加は高血圧治療ガイドラインに沿って実施されていたが、今回の調査においてFRU休薬期間は血圧が下がるケースが多く、休薬期間は降圧剤を休薬するなど柔軟な対応が求められる。今後はn数を増やし、背景因子が関係しているか検討する。
【方法】2024年12月から2025年4月までにFRUが処方された患者を対象とし、薬歴から年齢、性別、薬剤用量、確認した副作用とそのグレード、対応方法、対応後の転帰について収集した。評価項目は高血圧を含む副作用の発生頻度とし、CTCAEグレードver 5.0を用いて分類した。
【結果】対象患者は6名であった。FRU開始後に血圧が上昇した患者は5名(83.3%)であり、5名ともGrade2であった。うち4名が降圧剤追加となり、3名がアンジオテンシン2受容体拮抗薬(ARB)追加となったが、そのうち2名はCa拮抗薬も追加となった。Ca拮抗薬のみ追加は1名であった。手足症候群は5名(83.3%)、甲状腺機能低下は2名(33.3%)、尿蛋白は1名(16.7%)の患者にみられた。
【考察】追加される降圧剤の第一選択薬はARBが最多であり、臨床試験において尿蛋白の発生報告もあることから、降圧作用および腎保護作用を期待していると考えられる。降圧剤の追加は高血圧治療ガイドラインに沿って実施されていたが、今回の調査においてFRU休薬期間は血圧が下がるケースが多く、休薬期間は降圧剤を休薬するなど柔軟な対応が求められる。今後はn数を増やし、背景因子が関係しているか検討する。
