講演情報

[P-124-A]選定療養によるGE変更・薬剤料低減に対する取り組み効果

徳山 夏実1, 山内 葉子2, 金丸 達哉1, 近藤 順也2, 加井 真由美2 (1.共和メディカル(株) 関西薬局 井高野店, 2.薬局事業部)
【目的】医療費削減の観点から後発医薬品の利用を積極的に促しているが、医学的観点ではなく患者希望により先発医薬品が調剤されるケースがある。これまで、この先発医薬品の調剤についても通常の医療負担割合が適用されていたが、2024年10月より「患者の希望」において調剤した場合、通常の患者負担に特別な料金が上乗せされることになった。今回の調剤報酬改定により、選定療養に関する説明を行った場合、特定薬剤管理指導加算3・ロ(特管3ロ):5点を算定することとなったが、この制度がどのくらい患者に響き、ジェネリック(GE)変更のきっかけとなったかについて検証する。
【方法】2024年6~12月までにおける自局の長期収載品について、10月の選定療養開始前後の調剤量の変化を見た。月ごとの特管3ロの算定件数とGE調剤量、長期収載品の選定療養費について抽出し、医療費・薬剤料にどれくらい影響するかを比較した。調剤量については発注管理システムから抽出し、算定件数や選定療養費についてはレセコンと電子薬歴から抽出しエクセル®にて集計を行った。
【結果】選定療養の説明を行った件数は、選定療養開始前の9月にピークを迎え、徐々に算定件数は減少した。選定療養の開始後の10~12月の長期収載品の調剤量は、開始前の6~9月と比較してひと月当たり約58万円減少した。選定療養の開始後の10~12月のGEの調剤量は、開始前の6~9月と比較してひと月当たり約38万円増加した。選定療養費は、長期収載品の調剤金額の約11%にあたる金額であった。
【考察】選定療養の開始は10月からだったが、患者への事前周知のため自局では8月から特管3ロの算定を開始していた。算定に伴い、10月から明らかに長期収載品の調剤量が減り、GEの調剤量が増えたため、選定療養の開始はGE変更への後押しに大いに影響があったと考えられる。