講演情報

[P-126-C]健康習慣に関する意識調査

荒井 進吾1, 今井 菜月1, 奥田 みちる1, 内藤 遥1, 中園 寛菜1, 西村 真麻1, 松原 美帆1, 松本 智美1, 宮川 みほ1, 村田 真莉子1, 森田 ひかり1, 神田 千尋2, 佐々木 沙織1 (1.(株)アイセイ薬局 万町店, 2.在宅推進部)
【目的】患者が「健康によい」と信じて実践している行動や習慣の中には、誤解に基づくものも多い。本研究では、そうした誤解を明らかにし、科学的根拠に基づいた正しい健康情報を患者に指導するための知見の収集を目的とした。
【方法】患者(n=41)および薬剤師(n=51)を対象に「健康習慣に関するアンケート調査(〇×問題30問)」を実施した。回答結果についてフィッシャーの正確確率検定を用い、p値<0.05を有意差ありと判定した。
【結果】有意差があったのは「毎日2Lの水分が必要」「ビタミンは蓄積されない」「睡眠は6~8時間が理想」「夏は塩飴・スポドリを毎日摂取すべき」「薬は食後に服用すべき」「食事は腹八分目が理想」「タンパク質は摂りすぎNG」「大豆はホルモンに影響する」「野菜ジュースは生活習慣病予防になる」「乳製品は生活習慣病治療になる」「便秘には食物繊維を毎日摂取すべき」「果物は生活習慣病予防になる」「コーンフレークは健康的である」「毎日のお通じは不要」「必須脂肪酸は体内で作れない」の15問であった。
【考察】患者と医療者の間で健康・栄養に関する認識の乖離が多くみられ、特に「水分」「睡眠」「薬の服用」などで患者の誤解が顕著であった。また、特定の食品(例:野菜ジュース、乳製品、コーンフレーク)を過信する傾向もみられ、メディアや経験的知識の影響が示唆された。一方、「禁煙」「定期健診」など科学的根拠が広く浸透している項目では両者の認識が一致していた。医療者は専門知識に基づいて判断しているのに対し、患者は断片的・印象的な情報に依存している可能性があり、知識の偏りが誤った健康行動のリスクとなる恐れがある。今後は、啓蒙パンフレットなどを用いた正確でわかりやすい医療情報の発信と、患者のヘルスリテラシーの向上を図る理解度に合わせた指導の重要性がより一層高まると考えられる。