講演情報

[P-128-B]管理栄養士の助言遵守率70%以上の人数増加に向けて、効果的なアプローチを行う際に重点を置くべき事項の研究

林 侑利奈1, 大西 遥平2, 岡田 孝太3, 石村 隼人4, 中島 聖太5, 圓田 裕司6, 堀 美乃梨1, 田中 賢一7, 篠原 耕作8, 谷 磨砂美8 (1.(株)サッポロドラッグストアー 調剤運営部, 2.曙店, 3.北33条店, 4.麻生北40条店, 5.北8条店, 6.北12条店, 7.ヘルスケア事業戦略, 8.店舗業務推進部)
【目的】厚生労働省が2015年に公表した「患者のための薬局ビジョン」では「かかりつけ薬剤師・薬局」の重要性が説かれている。「かかりつけ」の意義の一つに、一元管理の下で継続的な薬学管理を実施できる点が挙げられるが、健康管理という趣旨を鑑みると、継続的な薬学管理はもとより、継続的な栄養管理の重要性もまた自明である。調剤薬局やドラッグストアでの管理栄養士による栄養相談は全国的にも広がってきており、当社でも以前から取り組んでいる。既存の研究では、診療所での外来栄養食事指導で設定した目標を70%以上(週5日程度)実行した場合に、体重や検査値の改善に繋がるとしている。しかし、管理栄養士が対象者にアプローチする際にどのような事柄に重点を置けば、助言遵守率が高い人を増やせるかは不明であり、課題となっている。管理栄養士の助言遵守率が70%以上の人を増やすために、管理栄養士が行うべき施策として、優先的に重点を置くべき事柄を明らかにすることを目的とした。
【方法】2023年5月8日~2023年12月31日の期間、同意を得られた患者に対し、栄養相談での管理栄養士の助言を1週間の中でどの程度実践できそうかアンケートで確認した。また、患者には助言の実践状況を「実践チェック表」に記録してもらった。栄養相談から1ヶ月後、患者に架電し、アドバイスの遵守状況について確認しデータとした。
【結果】12例のうち7例で管理栄養士の助言を70%以上遵守できていた。また9例は栄養相談直後に患者自身が遵守できると自己予想していた以上の遵守率を達成していた。Fisherの正確確率検定を行った結果、「実践チェック表」の活用の有無が遵守率70%達成/非達成と関係していた。
【考察】助言の内容や質よりも、日々の成果を簡便に見える化し、短期的な達成感を継続的に与える仕掛けが、助言の遵守には重要であることが示唆された。