講演情報

[P-130-A]健康サポート薬局における管理栄養士の介入により、糖尿病の服薬治療回避及び降圧剤が中止となった一例

田口 圭子 ((株)なの花東日本 なの花薬局東伊興店)
【背景】健康サポート薬局として、地域の健康増進や重症化予防などQOL向上に寄与することは重要である。薬局管理栄養士は、積極的に健康イベントや栄養相談などを行う役割を担っている。
今回、定期来局はなく、健康イベント参加時に薬局管理栄養士による栄養相談を受けられることを知った方への継続的な介入により、新たな服薬治療回避および継続薬中止となった事例を報告する。
【症例】60代後半女性。降圧薬を他薬局調剤で20年来服薬中、HbA1c7.0%以上で糖尿病の薬も開始すると主治医に言われ、食事による血糖コントロールを希望し、X年3月当薬局で栄養相談を実施。体重60kg、BMI24.0kg/m2 、HbA1c6.6%、血圧142/95mmHg。主治医の治療方針によりHbA1c7.0%未満、血圧改善を介入方針とした。
炭水化物に偏った昼食や、間食・夕食の摂取量過多などに対して具体的に実行可能なアドバイスを行い2か月後にHbA1cは6.1%に下がったが、「アドバイスがないと数値がすぐ悪くなってしまうので、定期的に相談したい。」との希望があり、最初の3か月は毎月、その後は2~3か月ごと計11回介入した。毎回新たな課題が見つかり、一つひとつ患者と向き合いHbA1c6.1~6.7%を推移した。又、食品の食塩含有量の説明や減塩のコツなど減塩の介入も行い、X+1年12月、体重53.7kg、BMI21.6kg/m2、血圧94/61mmHg、糖尿病の服薬治療を回避したまま降圧剤が中止となった。
【考察】薬局管理栄養士による継続的な介入が食生活や数値の改善に繋がった一例である。
誰でも参加できる薬局の健康イベントや、気軽に、継続的に受けることができる栄養相談など、薬局管理栄養士としての役割が、地域や患者に寄り添い健康増進や数値改善、減薬などQOL向上に寄与し、健康サポート薬局の一助となることが示唆される。