講演情報

[P-134-B]薬局管理栄養士と医師・薬局薬剤師との連携による栄養相談・指導の取り組み

原 ゆりあ1,2, 正木 海吏2, 安成 春美3 (1.さくら薬局グループ クラフト(株), 2.大阪巽さくら薬局, 3.やすなりみどり診療所)
【目的】保険薬局における健康サポート機能には、管理栄養士の人員配置と栄養相談会の実施が表記されており、患者ニーズに応じてこれらの機能を充実させることが求められている。しかし、さくら薬局グループにおいては栄養相談・指導(以下、栄養指導)の実施件数が少なく、管理栄養士の存在が十分に認知されていないのが現状である。地域住民への栄養支援を充実させるために、医師との連携を強化し、薬局管理栄養士の認知度向上と栄養指導件数の増加を目的とした。
【方法】やすなりみどり診療所の医師と大阪巽さくら薬局の薬剤師が定期的に行っていた月1回のミーティングに、2024年6月より薬局管理栄養士が加わり、食事改善が必要な患者に対して医師から管理栄養士による栄養指導を提案する体制を整えた。管理栄養士は栄養指導を行い、その指導内容(食生活・嗜好・栄養状態・改善意欲など)を指導報告書に記載し、医師と薬局薬剤師に提出した。
【結果】栄養指導を開始した2022年1月から2024年6月までの30カ月間における栄養指導実施件数は7件であったが、管理栄養士がミーティングに参加した2024年7月から2025年5月までの10カ月間では、実施件数が24件に増加した。
【考察】栄養指導件数の増加は、管理栄養士の認知度向上に寄与したと考えられる。さらに、医師および薬剤師による定期的なミーティングに管理栄養士が加わることで、治療方針に栄養の視点が反映され、三者連携による支援体制が強化された。栄養指導を受けた患者は、病状や生活習慣を理解し、食生活の改善が肥満の是正につながることが期待される。また、指導報告書は、医師による生活習慣病療養計画作成や、薬局薬剤師による服薬フォローアップにおいて有益な情報となる可能性がある。今後は、これらの効果を明らかにするための継続的な調査が求められる。