講演情報

[P-151-A]Pharmariseがん・緩和チームの挑戦~がん医療の専門教育を支える3つの柱の構築を目指して~

長尾 裕悟1, 崎間 公多郎2, 須貝 和仁3, 中嶋 孝枝4, 藤田 晋太朗5, 羽村 知穂6, 田仲 義弘7, 花光 栄司7 (1.北海道ファーマライズ(株) ほくと薬局, 2.北海道ファーマライズ(株) 五稜郭調剤薬局, 3.ファーマライズ(株) 金沢ファーマライズ薬局, 4.ファーマライズ(株) ファーマライズ薬局 浜松店, 5.北海道ファーマライズ(株) 川口薬局 本店, 6.ファーマライズ(株) 横浜みなみ薬局, 7.ファーマライズホールディングス(株))
【目的】がん医療の進歩に伴い保険薬局においても高度な専門性が求められている。当社では、がん医療に関する病院研修を修了した薬剤師を中心に、2022年にPharmariseがん緩和チームを立ち上げ「がん勉強会」「DI業務」「資格取得サポート」を3つの柱を軸に専門教育を開始した。本研究では、活動開始から4年間の成果を検討する。
【方法】がん勉強会は、研修を修了した薬剤師が講師を務め、社内薬剤師を対象に月1回のオンラインWEB勉強会として実施した。DI業務では、抗がん剤の新薬情報や副作用対策など、日常業務で必要な情報を厳選し、定期的に発信した。資格取得サポートでは、知識の習得・定着を目的に、練習問題の作成、症例報告の指導、面接対策を実施した。
【結果】がん勉強会は今年4月時点で40回開催され、参加者数は平均23.7名であった。主な参加理由として「がん医療に興味がある」「知識を広げたい」などが挙げられ、勉強会の満足度は高い傾向がみられた。DI業務では、年4回の社内全店舗への情報配信を実施し、一部地域では他の医療機関への情報提供にも活用された。資格取得サポートを通じて、活動開始後に外来がん治療認定薬剤師(APACC)が8名誕生した。また、その後のキャリアアップ支援の一環として外来がん治療専門薬剤師(BPACC)のサポートも実施された結果7名がBPACCを取得した。
【考察】Pharmariseがん緩和チームの活動を通じて、薬剤師のがん医療における専門性の向上が促進されたことが示唆された。特に、勉強会やDIによる知識習得の機会提供に加え、資格サポートによるキャリア形成支援が一連の流れとして機能し、薬剤師の成長を後押ししたと考えられる。今後は、勉強会やDIの継続的な発展に加え、資格取得後のキャリアパス支援を強化し、さらなる専門性の向上を目指すことが求められる。