講演情報
[P-153-C]薬学実務実習における精神科実習の実施について~精神科病院薬剤師の立場から~
○和田 智仁1, 近藤 浩樹2, 上條 千恵子2, 三輪 歌織1, 中澤 泰介1, 佐藤 雅也1, 渡邉 啓子1, 羽佐田 祥浩1, 三輪 高市3 (1.社会医療法人居仁会総合心療センターひなが 診療技術部薬剤課, 2.ファーマライズ(株) 東海北陸支店 ファーマライズ薬局 日永店, 3.鈴鹿医療科学大学大学院薬学研究科)
【目的】精神科医療は他科に比べて専門性が高く、特有の薬剤や治療方針を伴うが、薬局実習ではその理解が十分に得られにくい現状がある。そこで当院(総合心療センターひなが)では、2023年度より四日市薬剤師会およびファーマライズ薬局と連携し、薬局実務実習の一環として精神科病院薬剤師(以下、病院薬剤師)と協働した実習プログラムを実施している。本報告では、その中での病院薬剤師の教育的役割とその効果について述べる。
【方法】実習は保険薬局での実習中の薬学生を対象に2日間実施した。病院薬剤師が主導して、精神科医療の構造や入院治療の流れ、処方薬の特徴について講義を行い、加えて、病棟見学、持効性注射剤やクロザピンなどの特性と使用上の留意点についてのショートレクチャーを実施した。また、最終日には実習生と座談会を実施し、2日間の実習で得た内容について振り返る機会を設けた。
【結果】2023年度~2024年度に精神科実習に参加した実習生は25名であった。実習前は精神科病院や閉鎖病棟に対し否定的な印象を持つ学生が多数であったが、実際に保護室の体験や病棟見学、病院薬剤師からの専門的解説を通じて「清潔で落ち着いた環境」「薬剤師の専門性が高く、患者ケアに密接に関与している」との認識へと変化がみられた。
【考察】病院薬剤師は、抗精神病薬の適正使用、薬物療法のモニタリングにおいて中心的役割を果たしている。また、クロザピンの運用や副作用管理といった高度な知識が求められる場面も多い。一方で、多くの精神科病院では薬剤師数が限られ、入院患者の対応に加えて教育・指導業務を担うには人的資源が不足しているのが現状である。保険薬局と連携した本実習を通じて、薬学生に対して精神科薬物療法の理解を促すと同時に、病院薬剤師の専門性と臨床的役割の重要性を直接伝えることができた。今後も本実習を継続し、精神科医療の理解促進寄与していきたい。
【方法】実習は保険薬局での実習中の薬学生を対象に2日間実施した。病院薬剤師が主導して、精神科医療の構造や入院治療の流れ、処方薬の特徴について講義を行い、加えて、病棟見学、持効性注射剤やクロザピンなどの特性と使用上の留意点についてのショートレクチャーを実施した。また、最終日には実習生と座談会を実施し、2日間の実習で得た内容について振り返る機会を設けた。
【結果】2023年度~2024年度に精神科実習に参加した実習生は25名であった。実習前は精神科病院や閉鎖病棟に対し否定的な印象を持つ学生が多数であったが、実際に保護室の体験や病棟見学、病院薬剤師からの専門的解説を通じて「清潔で落ち着いた環境」「薬剤師の専門性が高く、患者ケアに密接に関与している」との認識へと変化がみられた。
【考察】病院薬剤師は、抗精神病薬の適正使用、薬物療法のモニタリングにおいて中心的役割を果たしている。また、クロザピンの運用や副作用管理といった高度な知識が求められる場面も多い。一方で、多くの精神科病院では薬剤師数が限られ、入院患者の対応に加えて教育・指導業務を担うには人的資源が不足しているのが現状である。保険薬局と連携した本実習を通じて、薬学生に対して精神科薬物療法の理解を促すと同時に、病院薬剤師の専門性と臨床的役割の重要性を直接伝えることができた。今後も本実習を継続し、精神科医療の理解促進寄与していきたい。
