講演情報

[P-156-C]対人業務推進に向けたEBM手法における症例検討会の継続的評価

大貫 ミチ1, 今井 真帆2, 倉田 香織3 (1.薬樹(株) 薬樹薬局宮前平2号店, 2.薬樹(株) 薬樹薬局ライフ溝の口店, 3.東京薬科大学)
【目的】薬局では対人業務の重要性が高まっている。そこで、顧客課題に気付き適切に行動できる薬剤師の育成を目指して症例検討会を実施した。参加前後および研修終了4か月後でアンケートを実施するとともに、対人加算の算定状況を調査することで、参加者の意識変化と行動変容を明らかにすることを目的とする。
【方法】2024年7-9月期にEBM手法に基づく症例検討会を、対人加算(服薬情報等提供料1-3、外来服薬支援料1、服用薬剤調整支援料1・2)に関する内容で、薬剤師を対象に90分でzoomを用いて3回実施した。初回参加前(pre)と3回参加後(post)および研修終了4か月後(follow-up:f/u)にGoogle formを用いてアンケート調査を実施した。参加者属性、薬歴への意識、対人業務の取り組み状況等に関する51問を5件法で質問した。pre・post・f/u全てに回答があるものを分析対象とし、平均値に対する有意差検定(Paired-T)を行った。分析対象者の所属店舗の2024年6月、10月、2025年2月の対人加算の算定件数を確認した。
【結果】18名の参加者から、pre 17名、post 14名、f/u 11名の回答を得た。分析対象は10名であった。「アセスメントに記載すべき内容を十分理解している」(平均値3.1(pre) vs 2.8(post) vs 3.6(f/u), p=0.082 (pre-post), 0.011 (pre-f/u), 0.015 (pre-f/u))、「アセスメントを行うための患者情報を十分収集できている」(2.8 vs 3.2 vs 3.4, p=0.165, 0.343, 0.015)等4項目で有意差が認められた。対人加算の算定件数合計は2024年6月 74件、10月 155件、 2025年2月 117件となった。
【考察】アセスメント能力の向上につながる項目において、preとf/u間の有意差が認められたことから、4ヶ月間の維持ができていることが示唆された。加算の算定数は、研修直後の10月が最も多かったが、各店舗の置かれる状況に違いがあるため、店舗状況などの細かい分析を行う必要がある。