講演情報
[P-157-A]初学者を対象としたEBM教育:「医薬品の効果」とは何かを理解するための共同授業の効果
○倉田 香織1, 山田 寛尚1, 五十嵐 俊1,2, 小原 総一郎1,3, 船見 正範1,4, 小納谷 洋平1,5, 今井 真穂1,5, 佐々木 麻里1,6, 高橋 祐介1,7, 田中 洋平1,8 (1.東京薬科大学, 2.横浜市立市民病院, 3.公立阿伎留医療センター, 4.(株)パワーファーマシー, 5.薬樹(株), 6.(株)なの花東日本, 7.クオール(株), 8.湘南大磯病院)
【目的】Evidence-based Medicine(EBM)の実践に関して、臨床論文の批判的吟味を中心とする学習目標は、学部生にとって理解が難しく、その教育手法の改善が求められている。そこで、EBM教育を行うための薬剤師ネットワークをつくり、2017年度から継続している授業の受講生を対象としたアンケート調査の結果を報告する。
【方法】東京薬科大学薬学部2年次生を対象に「医薬品のプロとして薬の効果を考える」と題したゼミナールを開講し、健康食品などを題材に、そのエビデンス情報を正しく理解するための科学的リテラシーおよび批判的吟味のスキルの習得を目的とした演習授業を6日間(70分13コマ)で実施した。6つのRCT論文を教材として、薬局薬剤師がファシリテータとしてSGDに参加した。また、主に2021-2024年度に受講した学生68名を対象に、アンケート調査を実施した。
【結果】8年間で161名が受講し、29名(有効回答率43%)がアンケートに回答した。回答者全員が「受講してよかった」と回答した。就職の希望は、病院が17.2%、薬局が13.8%、企業が41.4%であった。79.3%の学生が「相談に乗るときの気持ちの変化があった」、65.5%の学生が「自分でもエビデンスを調べてみた」、79.3%の学生が「卒論研究に活かしたい」と回答した。多くの学生が、自由記述で、その後の授業との関連について述べており、企業、薬剤師、消費者の視点に触れたことについて述べている学生もいた。
【考察】高学年で学ぶ「医薬品による薬物治療におけるEBMの実践」をより深く理解するために、生活者目線で低学年のうちから「健康に関する商品」を通して学ぶことには価値があると、多くの受講生が評価していることが示唆された。また、EBMに精通した薬局薬剤師との対話の中で、健康に関する情報の収集、評価、加工、提供に関する意識とスキルを高めることの有効性を示すことができたと考えられる。
【方法】東京薬科大学薬学部2年次生を対象に「医薬品のプロとして薬の効果を考える」と題したゼミナールを開講し、健康食品などを題材に、そのエビデンス情報を正しく理解するための科学的リテラシーおよび批判的吟味のスキルの習得を目的とした演習授業を6日間(70分13コマ)で実施した。6つのRCT論文を教材として、薬局薬剤師がファシリテータとしてSGDに参加した。また、主に2021-2024年度に受講した学生68名を対象に、アンケート調査を実施した。
【結果】8年間で161名が受講し、29名(有効回答率43%)がアンケートに回答した。回答者全員が「受講してよかった」と回答した。就職の希望は、病院が17.2%、薬局が13.8%、企業が41.4%であった。79.3%の学生が「相談に乗るときの気持ちの変化があった」、65.5%の学生が「自分でもエビデンスを調べてみた」、79.3%の学生が「卒論研究に活かしたい」と回答した。多くの学生が、自由記述で、その後の授業との関連について述べており、企業、薬剤師、消費者の視点に触れたことについて述べている学生もいた。
【考察】高学年で学ぶ「医薬品による薬物治療におけるEBMの実践」をより深く理解するために、生活者目線で低学年のうちから「健康に関する商品」を通して学ぶことには価値があると、多くの受講生が評価していることが示唆された。また、EBMに精通した薬局薬剤師との対話の中で、健康に関する情報の収集、評価、加工、提供に関する意識とスキルを高めることの有効性を示すことができたと考えられる。
