講演情報

[P-158-B]薬剤師国家試験を基にした「薬局実務実習用アプリ」の開発と実習生への意識調査(第2報)

田中 直哉1,2, 近藤 澄子2 (1.(株)ピノキオファルマ, 2.(株)ピノキオ薬局)
【目的】
モデル・コア・カリキュラム記載項目「薬物治療の実践的能力」に関して、実務実習で学ぶべき内容は、指導薬剤師や実習店舗に任されている。指導薬剤師や実習機関の指導内容の差を少なくし、広分野を網羅することを目的とした、実務実習用アプリを開発し、その有効性について報告した。一般公開化し、指導薬剤師に利用を促したため、アプリを用いた実務実習の利点について調査することとした。
【方法】
医薬品ごとに出題ランキングを作成し、出題時系列順に表示させた。実際に服薬指導する処方に関する出題を投薬前に確認した。「類問を解く」機能により、備蓄のない類薬に関する問題も解けるようにした。また、保険調剤、学校薬剤師、災害時対応など、医薬品の成分と関わらない項目においては、キーワード検索を用いた。
アプリを用いた実習生8名に対してアンケート調査を行った。
【結果】
実習施設による教育格差について、「すごくある」75%、「ある」25%であり、その差は処方箋科目、処方箋枚数、在庫品目数に起因するとの意見が示された。国家試験を意識しながら実習する利点について、「すごくある」75%、「ある」25%であった。指導薬剤師は国家試験の問題を知っておくべきかどうかについて、「はい」100%であった。実習期間の長さについて「短い」50%、「丁度よい」50%であった。店舗にない処方や項目など全分野網羅されていたかについて、「網羅されていた」75%であった。アプリを用いて実習することで、「監査時の注意点を意識でき、そこから出題意図が汲み取れた」、「患者さんに伝えるべき内容を把握できた」といった意見が挙げられた。
【考察】
実習施設による差は処方箋科目、処方箋枚数、在庫品目数に起因するとの意見が示されたが、国家試験アプリを用いることで広範囲網羅されていたと答えた割合が多いことから、実習施設による指導内容の格差を軽減できるツールになりうると考える。