講演情報

[P-160-A]実務実習前の臨床体験に学生は何を求めるか?(第2報) ~薬学部1年生の考え~

三宅 萌瑛, 中村 敏明, 角山 香織 (大阪医科薬科大学 薬学部)
【目的】薬学教育6年制課程は、臨床に係る実践的能力を有した医療人としての薬剤師養成を目指しているが、現在の6年制課程のカリキュラムでは、低学年時の早期臨床体験後、実務実習まで臨床現場や社会に出て学習する機会に乏しい。本学薬学部では、実務実習前の臨床体験(以下、中期臨床体験)プログラムの構築を進めており、学習者が医療人としての自覚を高め、自身のキャリアデザインや学んだ知識の臨床活用術を意識しながら学習に臨む姿勢を身につけることを目指している。今回、プログラム内容を具体的に検討するために、学生が中期臨床体験に期待することを調査した。
【方法】2024年5月に本学薬学部の1年生に対し、中期臨床体験に適していると考える学年(選択式)とその理由(自由記述)、経験したい実習内容(自由記述)の3項目についてWEBアンケート調査(Microsoft Forms)を実施した。調査に同意した287名の回答を解析対象とし、自由記述の内容は、テキストマイニング(KH Coder v3)を行った。本研究はJSPS科研費24K06113の助成を受けて実施した。
【結果・考察】中期臨床体験の実施時期は、3年生(前後期いつでも)が38.7%と最も多く、次いで2年生(前後期いつでも)15.3%、3年生前期10.8%の順であった。実習内容に関する意見としては、実際の現場を見たい、患者とコミュニケーションをとりたい、薬局で在宅医療に関与したい、病院でカンファレンスに参加するなど多職種とのチーム医療を体験したいなどが挙げられた。また、薬局や病院だけでなく、製薬会社等の企業や公務員の仕事を見学したいという意見も挙げられた。これらのことから、中期臨床体験は3年生での実施希望が多く、薬剤師が社会において活躍している現状について幅広く興味を持っていることが分かった。今後、得られた知見をプログラム内容に反映させていく予定である。