講演情報

[SY1-3]薬剤師に必要な情報収集とその活用 ~情報の洪水に溺れないためには~

下平 秀夫 (株式会社ファーミック 富士見台調剤薬局 薬局長・専務取締役)
2020年の薬機法改正により、薬局は単なる「医薬品を調剤・販売する場」から、「薬学的知見に基づく継続的な服薬指導の場」へと役割が大きく変化した。「おだいじに」で終わらないフォローアップ、トレーシングレポートや副作用報告などを通じた医療連携、そしてリスクコミュニケーションの強化が、薬剤師に求められている。

 一方で、新薬情報、添付文書改訂、RMP(リスク管理計画)に基づく患者向け資材、さらには調剤報酬制度の見直しなど、薬剤師が把握すべき情報は増加の一途をたどっている。その膨大な情報の中から、何をどう選び、患者にどう伝えるかは、現場の薬局薬剤師にとって日々の課題である。

 今回、「いまさら聞けない」をキーワードに、薬局薬剤師の日常業務に即した情報収集の流れを紹介する。また、患者向け医薬品ガイド、RMP資材、くすりのしおりなどを活用する際の工夫や実務上の課題について、具体的な事例を交えながら考察する。

 また、薬局としてどのように医薬品情報を発信し、地域や患者から「選ばれる薬局」となるかについても提案したい。さらに、情報の受け手としての視点から、製薬企業や行政に対し、現場でより活用しやすい情報提供の形についても意見を述べる予定である。

 医薬品情報の収集と提供という基本を、あらためて見直す機会とし、患者中心の医療に寄与できれば幸いである。


【略歴】
・1980年 東京薬科大学卒業
・2007年4月~現在 ・帝京大学薬学部 教授
・富士見台調剤薬局 薬局長 (株ファーミック 専務取締役)
・2016年~現在  ・一般社団法人 国立市薬剤師会会長

【資格等】
・薬剤師・薬学博士(薬理学)・医薬品情報専門薬剤師
・東京都薬剤師会認定禁煙指導薬剤師・日薬生涯学習JPALSレベル6
・認定実務実習指導薬剤師・東京都薬物専門講師・臨床検査技師