講演情報

[SY1-4]薬局におけるPHR(お薬手帳)の活用~薬剤師および患者がともに活用できる情報とは~

島田 昌典 (harmo株式会社 企画営業統括部 統括部長・薬剤師)
医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により医療現場ではオンライン資格確認やマイナ保険証、そして電子処方箋などのデジタル化が急ピッチに進んでいる。この背景には、日本の課題である少子高齢化や財政難がある中でも継続して質の高い医療を提供するため、デジタル化による効率化が期待されている。
 電子版お薬手帳は2016年から診療報酬算定が認められ、紙のお薬手帳と同様に相互作用、副作用の発見や緊急時の医薬品情報の閲覧等、薬剤安全のツールとして活用されている。さらに近年では電子版お薬手帳ガイドライン(薬生総発0331第1号 令和5年3月31日)の改定に伴い、PHR(Personal Health Record)として位置づけられ、全ての薬局・医療機関での利用促進が明記され、その役割と重要性はますます高まっている。
 医療DXの推進とPHRの推奨の機運が高まる一方、電子版お薬手帳はその課題も多い。患者課題ではスマートフォンの操作が障壁でアプリの付加機能が十分に活用できない声を多く耳にする。加えて医療機関や医療従事者間の情報連携の場面でもシステムやセキュリティの環境によりシステム連携が難しく、結果として医療機関内や多職種連携での電子的な情報活用やアプリ普及がなかなか進まない課題も存在する。
 そのため、本シンポジウムでは、今一度、電子版お薬手帳の基本的な内容を紹介の上、電子版お薬手帳アプリの患者側の活用好事例や現状の課題を共有できればと思う。さらに医療機関において現在、業務効率化や更なる医療安全に向けた電子お薬手帳の取り組みに触れながら、今後PHRとして期待される役割やそして普及に向けて今後必要なことなどの議論を行いたいと思う。


【略歴】
2000年03月 北里大学 薬学部薬学科 卒業 薬剤師免許取得
2000年04月 (株)CRC総合研究所(現 伊藤忠テクノソリューションズ(株))入社
2004年06月 (株)イノベイションオブメディカルサービス入社(~2016年)
2010年04月 実務実習指導薬剤師 取得 /薬局実習指導(~2016年)
2012年04月 星薬科大学薬学部 非常勤講師(~2016年)
2017年05月 シミック(株)入社
2021年12月 同グループのharmo(株)へ転籍

【兼業・社外活動】
りおん薬局 (2022年~現在)
横浜薬科大学薬学部 学外講師(2022年~現在)