講演情報
[SY10-1]患者のための薬局ビジョンを体現する薬剤師の育成 ~武庫川女子大学薬学部における実践型教育の取り組み~
○田内 義彦 (武庫川女子大学 薬学部 臨床薬学教育研究センター 教授)

2006年より始まった薬学部6年制教育は、臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とし、その核となるのが、5年次に行われる長期実務実習である。しかしながら実務実習は5年次に行われるため、薬学部生は低学年で医療現場に触れる機会がなく、大学内で座学にて学んだ知識と実践の結びつきを実感することが出来ず、また実務実習において学生は多岐にわたる薬剤師業務を短期間で網羅的に学ぶ必要があり、「与えられたタスクをこなす」受け身の姿勢になりがちである。さらに実務実習は 薬剤師業務に特化しているため、薬局や病院全体の運営、医療事務、患者との継続的な関係性構築といった、薬剤師の業務を支える広範な側面を深く理解する機会は限られている。
こうした実務実習の補完的役割を担うものとして、1)早期からの職業意識の醸成とモチベーション維持、2)実践的な非薬剤師業務スキルと態度の習得、3)キャリア形成の具体化とミスマッチの低減、を柱とする「低学年からの有給インターンシップ」プログラムの確立に取り組んだ。プログラムは夏期及び春期の長期休暇中の約1か月間、本学と連携した保険薬局又はドラッグストアにてスタッフとして有給で業務に従事する形で実施し、事前に大学でのセレクション及び接遇講習を主とする事前研修を実施した。これまで計6回の有給インターンシップを行い、延べ55名の学生が参加した。参加者へのアンケートでは、「大学で薬理を学ぶ意義がよく理解できた」「有給インターシップの参加が実務実習の学びを一層深めることに繋がった」等のポジティブな感想を得ている。
シンポジウムではその詳細と、有給インターンシップの発展型として昨年度より取り組みを開始した 「クリニカルサイトインターンシップ」と「セルフメディケーションインターンシップ」について併せて報告する。
【略歴】
1988年3月 県立静岡薬科大学(現 静岡県立大学薬学部)大学院修士課程 修了
1988年4月 鐘紡株式会社(現 クラシエ株式会社)漢方研究所に勤務
1991年9月 北海道薬科大学(現 北海道科学大学薬学部)に着任(助手) ※2002年より講師
2004年4月 株式会社 祥漢堂(現 総合メディカル株式会社)に保険薬剤師として勤務
2011年8月 神戸薬科大学に臨床教員(教授)として着任
2021年4月 武庫川女子大学薬学部に臨床教員(教授)として着任 現在に至る
こうした実務実習の補完的役割を担うものとして、1)早期からの職業意識の醸成とモチベーション維持、2)実践的な非薬剤師業務スキルと態度の習得、3)キャリア形成の具体化とミスマッチの低減、を柱とする「低学年からの有給インターンシップ」プログラムの確立に取り組んだ。プログラムは夏期及び春期の長期休暇中の約1か月間、本学と連携した保険薬局又はドラッグストアにてスタッフとして有給で業務に従事する形で実施し、事前に大学でのセレクション及び接遇講習を主とする事前研修を実施した。これまで計6回の有給インターンシップを行い、延べ55名の学生が参加した。参加者へのアンケートでは、「大学で薬理を学ぶ意義がよく理解できた」「有給インターシップの参加が実務実習の学びを一層深めることに繋がった」等のポジティブな感想を得ている。
シンポジウムではその詳細と、有給インターンシップの発展型として昨年度より取り組みを開始した 「クリニカルサイトインターンシップ」と「セルフメディケーションインターンシップ」について併せて報告する。
【略歴】
1988年3月 県立静岡薬科大学(現 静岡県立大学薬学部)大学院修士課程 修了
1988年4月 鐘紡株式会社(現 クラシエ株式会社)漢方研究所に勤務
1991年9月 北海道薬科大学(現 北海道科学大学薬学部)に着任(助手) ※2002年より講師
2004年4月 株式会社 祥漢堂(現 総合メディカル株式会社)に保険薬剤師として勤務
2011年8月 神戸薬科大学に臨床教員(教授)として着任
2021年4月 武庫川女子大学薬学部に臨床教員(教授)として着任 現在に至る
