講演情報

[SY10-2]患者のための薬局ビジョンの実現~在宅における服薬管理を通して在宅医療の進化と薬局の挑戦~輸液ポンプ運用が支える新たな役割

山内 督 (株式会社ほくやく メディカル営業部 在宅医療機器支援室 課長)
近年、在宅医療は医療提供体制の変化に伴い大きく拡充しており、地域包括ケアシステムの中核としてその重要性を増している。中でも終末期やがん疼痛管理においては、自宅で療養を希望する患者が増加しており、在宅での疼痛緩和を支える医療機器の利活用が注目されている。
 このような背景のもと、薬局の機能も従来の調剤業務にとどまらず、在宅療養における支援体制の一端を担う方向へと広がりを見せている。特に、自己疼痛緩和療法(PCA)に使用される輸液ポンプ、たとえばCADD-Solisやクーデックエイミーといった機器を薬局が自らレンタル・運用し、在宅での疼痛緩和を支援する取り組みが各地で報告されている。薬剤調製から機器の提供、さらには必要に応じた服薬支援に至るまで、薬局の関与がより包括的なものとなりつつある。
本講演では、そうした薬局の医療機器運用を支える現場の視点から、無菌調製体制の整備、訪問看護師・医師との連携、機器管理およびトラブル対応の実際について紹介する。在宅医療の質の向上に寄与する機器活用の実際と、それを支える薬局の新たな機能について考察し、「患者のための薬局ビジョン」実現に向けた一つの方向性を提示する。


【略歴】
2004年 テルモメディカルケア株式会社 入社(テルモ株式会社 在宅医療カンパニー 兼務)
2015年 株式会社ほくやく 入社 メディカル営業部 在宅医療機器支援室(旧メディカル営業支店 営業4課)所属(現職、2018年~営業課長)