講演情報
[SY11-3]調剤情報共有サービス LINCLEはちのへの活用について
○阿達 昌亮 (一般社団法人 八戸薬剤師会 会長/株式会社チェリッシュ ワカバ薬局 代表取締役)

【はじめに】
一般社団法人八戸薬剤師会は、八戸市・三戸郡・おいらせ町を中心とする8市町村において、地域住民への適切な医薬品供給を目的に、2024年7月より株式会社メディカルネットワークシステムが開発・提供する調剤薬局向け在庫管理システム「LINCLE」のテクノロジーを活用し、薬局会員間の医薬品融通に有益な調剤情報の共有を開始することとした。
【背景・目的】
昨今、ジェネリック医薬品を中心とした医療用医薬品の供給不足が長期間続き、医療機関や保険薬局では必要量の医薬品調達に支障をきたす状態が継続している。八戸圏域の薬局間においては、以前より都度電話等で近隣の他薬局に医薬品融通の可否を確認し小分け調達していた。しかし最近では不足する医薬品の調達が困難な場合が多く、結果として患者様の待ち時間が増加し、患者様が即時に医薬品を受領できないばかりか全くお渡しできないケースもあり、治療・服薬にも影響が出るなど、適切な薬物療法提供上の課題を抱えている。
これらの課題解決のため、八戸薬剤師会では調剤実績共有サービス「LINCLEはちのへ」を導入し運用を開始することとした。
本取り組みに賛同した地域の薬局は、それぞれの薬局で使用するレセプトコンピューターから、調剤実績共有に必要な情報を自動連携する。自薬局に在庫のない医薬品の処方箋を受けた際、近隣薬局の調剤実績から融通してもらう可能性の高い薬局を検索し問い合わせすることができ、お互いに可能な範囲で医薬品融通をスムーズに行うことができるようになる。
【結果】
2024年12月には地域の62%にあたる93薬局が本サービスを導入しており、2025年2月までに18,260の医薬品が、そして1日あたり約75の医薬品が検索されている。また同じ期間で423回注文書が出力され、注文書1枚あたり1.1品目の医薬品が小分け調達されている。電話など他の連絡手段も用いられていることを考えると本システムの利用回数は更に多いものと推測される。
【考察】
本サービスの導入により医薬品卸の急配の削減が見込める他に、将来的には希少医薬品や高額医薬品等の調達、不動在庫の有効活用、医療用麻薬の夜間休日の融通(予め登録したグループ内)、災害時の医薬品調達等への活用が期待される。
キーワード
医薬品の供給の安定化、調剤情報共有サービス、地域薬剤師会
【略歴】
2003年 北里大学薬学部卒業
同年 都内のドラッグストア勤務
2004年 栃木県の保険薬局勤務
2011年 青森県の保険薬局勤務
2018年 八戸市で保険薬局開設
一般社団法人八戸薬剤師会は、八戸市・三戸郡・おいらせ町を中心とする8市町村において、地域住民への適切な医薬品供給を目的に、2024年7月より株式会社メディカルネットワークシステムが開発・提供する調剤薬局向け在庫管理システム「LINCLE」のテクノロジーを活用し、薬局会員間の医薬品融通に有益な調剤情報の共有を開始することとした。
【背景・目的】
昨今、ジェネリック医薬品を中心とした医療用医薬品の供給不足が長期間続き、医療機関や保険薬局では必要量の医薬品調達に支障をきたす状態が継続している。八戸圏域の薬局間においては、以前より都度電話等で近隣の他薬局に医薬品融通の可否を確認し小分け調達していた。しかし最近では不足する医薬品の調達が困難な場合が多く、結果として患者様の待ち時間が増加し、患者様が即時に医薬品を受領できないばかりか全くお渡しできないケースもあり、治療・服薬にも影響が出るなど、適切な薬物療法提供上の課題を抱えている。
これらの課題解決のため、八戸薬剤師会では調剤実績共有サービス「LINCLEはちのへ」を導入し運用を開始することとした。
本取り組みに賛同した地域の薬局は、それぞれの薬局で使用するレセプトコンピューターから、調剤実績共有に必要な情報を自動連携する。自薬局に在庫のない医薬品の処方箋を受けた際、近隣薬局の調剤実績から融通してもらう可能性の高い薬局を検索し問い合わせすることができ、お互いに可能な範囲で医薬品融通をスムーズに行うことができるようになる。
【結果】
2024年12月には地域の62%にあたる93薬局が本サービスを導入しており、2025年2月までに18,260の医薬品が、そして1日あたり約75の医薬品が検索されている。また同じ期間で423回注文書が出力され、注文書1枚あたり1.1品目の医薬品が小分け調達されている。電話など他の連絡手段も用いられていることを考えると本システムの利用回数は更に多いものと推測される。
【考察】
本サービスの導入により医薬品卸の急配の削減が見込める他に、将来的には希少医薬品や高額医薬品等の調達、不動在庫の有効活用、医療用麻薬の夜間休日の融通(予め登録したグループ内)、災害時の医薬品調達等への活用が期待される。
キーワード
医薬品の供給の安定化、調剤情報共有サービス、地域薬剤師会
【略歴】
2003年 北里大学薬学部卒業
同年 都内のドラッグストア勤務
2004年 栃木県の保険薬局勤務
2011年 青森県の保険薬局勤務
2018年 八戸市で保険薬局開設
