講演情報
[SY12-3]調剤薬局における災害対策~BCPと防災意識からみる現状と課題~
○姫氏原 亮 (株式会社そえる 事業部 部長)

近年、地震や台風、豪雨などの自然災害が全国各地で頻発しており、被災地域では医療資源の供給が滞るケースも多く報告されている。こうした状況下においては、地域住民の健康と生命を守るため、災害時においても継続的に医療サービスを提供できる体制の整備が急務となっている。
なかでも、医薬品の安定供給を担う調剤薬局には、平時から災害を見据えた準備を進めることが求められており、地域の防災・減災においても積極的な役割を果たすことが期待されている。
調剤薬局がその使命を果たすためには、災害時における事業継続計画(BCP)の策定や災害対応マニュアルの整備、職員の防災意識の向上などが不可欠である。また、病院や医薬品卸、行政機関との密接な連携体制を平時から構築し、災害発生時には迅速に役割分担や情報共有を行えるようにしておくことも重要である。
こうした観点から、当社では2023年にBCP、災害時事業継続マニュアルを作成し、各店舗に対してその活用方法を含めた周知を行った。
2025年2月には、十勝・帯広地域において過去最大規模の雪害を経験し、マニュアルを実際に活用する中で新たな課題も明らかとなった。
しかしながら、BCPや災害時事業継続マニュアルの整備状況、防災に対する社員の意識については、時間の経過とともにその質の低下が懸念される状況にある。そこで、実際の現状を把握するため、当社社員を対象に防災意識調査を実施し、その結果を分析することで現状と課題を検討した。
本稿では、得られた調査結果を通じて、薬局が地域における災害対応拠点としてどのような備えを行っているのか、またどのような課題が残されているのかについて考察する。さらに、薬局が今後も災害時に地域医療を支える存在として機能し続けるために、多職種・多機関連携の強化、実効性のあるマニュアルの整備、職員の意識醸成といった必要な取り組みの方向性について検討を深める。
【略歴】
2009年 奥羽大学 薬学部 卒業
2009年 JA北海道厚生連 札幌厚生病院 入職
2013年 株式会社パルス 入職
2013年 日本薬剤師研修センター 小児薬物療法認定薬剤師 認定
2022年 株式会社パルスは株式会社そえるに統合
2024年 株式会社そえる 事業部 部長(現職)
所属学会
日本災害医学会
なかでも、医薬品の安定供給を担う調剤薬局には、平時から災害を見据えた準備を進めることが求められており、地域の防災・減災においても積極的な役割を果たすことが期待されている。
調剤薬局がその使命を果たすためには、災害時における事業継続計画(BCP)の策定や災害対応マニュアルの整備、職員の防災意識の向上などが不可欠である。また、病院や医薬品卸、行政機関との密接な連携体制を平時から構築し、災害発生時には迅速に役割分担や情報共有を行えるようにしておくことも重要である。
こうした観点から、当社では2023年にBCP、災害時事業継続マニュアルを作成し、各店舗に対してその活用方法を含めた周知を行った。
2025年2月には、十勝・帯広地域において過去最大規模の雪害を経験し、マニュアルを実際に活用する中で新たな課題も明らかとなった。
しかしながら、BCPや災害時事業継続マニュアルの整備状況、防災に対する社員の意識については、時間の経過とともにその質の低下が懸念される状況にある。そこで、実際の現状を把握するため、当社社員を対象に防災意識調査を実施し、その結果を分析することで現状と課題を検討した。
本稿では、得られた調査結果を通じて、薬局が地域における災害対応拠点としてどのような備えを行っているのか、またどのような課題が残されているのかについて考察する。さらに、薬局が今後も災害時に地域医療を支える存在として機能し続けるために、多職種・多機関連携の強化、実効性のあるマニュアルの整備、職員の意識醸成といった必要な取り組みの方向性について検討を深める。
【略歴】
2009年 奥羽大学 薬学部 卒業
2009年 JA北海道厚生連 札幌厚生病院 入職
2013年 株式会社パルス 入職
2013年 日本薬剤師研修センター 小児薬物療法認定薬剤師 認定
2022年 株式会社パルスは株式会社そえるに統合
2024年 株式会社そえる 事業部 部長(現職)
所属学会
日本災害医学会
