講演情報

[SY14]学生参加企画「理想の薬剤師」に近づくための「教育」とは何か―学生・現場・教育が出会うシンポジウム―

萩原 希光1, 佐藤 匠真2, 馬越 春莉3, 宮川 丈史4, 神林 弾5, 小林 一隆6 (1.一般社団法人日本薬学生連盟 副会長外務理事・北里大学, 2.日本薬科大学, 3.一般社団法人日本薬学生連盟 会長・東京薬科大学, 4.株式会社なの花北海道 道央エリア Ⅲブロック長 なの花薬局北大店, 5.昭和薬科大学 臨床薬学教育研究センター 講師, 6.文部科学省高等教育局医学教育課 薬学教育専門官)
本シンポジウムは、薬剤師養成の未来と社会的役割の再構築を見据え、「理想の薬剤師像」に迫るための教育の在り方を多面的に考察することを目的とする。薬学生、現場の薬剤師、大学教員、文部科学省による構成とし、教育・実務・制度の接点を浮き彫りにする構成である。まず、薬学生3名が登壇し、学部教育を通じて描いた自身の理想とする薬剤師像を提示する。その理想に近づくために、今の教育環境や実習制度の中で何が必要であるか、どのような学びや経験が求められるかについて課題意識を表出する。
 次に、実務家として薬局の最前線で活躍する薬剤師が登壇し、在宅医療、服薬支援、健康相談など、専門職として多様な現場で果たしている役割を紹介する。調剤業務のオートメーション化が進むなかで、薬剤師の対人業務の重要性が増しており、実践を通じて蓄積された知識や叡智が、いかに現代の薬局における価値を高めているかを事実に基づき語る。現場の実態からは、理想の薬剤師像が実際にどう体現されているかを確認することができる。
 さらに、大学教員が登壇し、自身の研究活動や教育実践の経験をもとに、薬学教育の課題と展望について論じる。薬剤師に求められる資質は高度化・多様化しており、単なる知識伝達にとどまらず、課題解決能力や対人関係能力を育む教育が必要とされている。教育者の立場から、大学教育がどのように現場とつながり、実践力を養っていくべきかについて見解を提示する。また、文部科学省の担当者より、薬学教育政策の現状ならびに今後の薬学教育の方向性、特に上記にも記載のある近年の薬剤師に対する社会からのニーズに対してどのような教育を推進していくべきなのか、今後の薬剤師教育の在り方について行政の立場から提起がなされる予定である。
 最後に、登壇者全員が一堂に会し、それぞれの立場から意見を交わす協議の場を設けることで、薬学教育・現場・制度の相互理解と連携の深化を図る。