講演情報
[SY8-3]生成AIを活用した薬局業務支援の現在地~現場との対話から生まれた実践事例~
○松田 悠希 (株式会社mediLab 代表取締役社長CEO)

近年、医療分野においてAI技術の活用が進む中、薬局業務においても様々な可能性が模索されている。株式会社mediLabは、AI研究者と医療従事者が協働し、薬局現場の実課題に対して生成AIを含む最新技術を活用したソリューション開発に取り組んでいる。
本講演では、実際の薬局との共同開発から生まれた服薬指導支援AIシステム「Kakeru君」を事例として、生成AIが薬局業務にもたらす変化について紹介する。音声認識による文字起こしやSOAP形式への変換といった基本的な機能に加え、生成AIを活用することで、服薬指導に必要な情報の集約、確認すべきポイントの提示、患者個別のフォローアップ計画の作成支援など、より実践的な機能の実現を目指している。
薬局業務におけるAI活用で重要なのは、技術と人間の適切な役割分担である。医薬品情報の検索や過去患者履歴の参照・指導内容の適切な記録作成などの情報処理はAIが効率的に行える一方、患者さんの心情理解、生活背景を踏まえた服薬指導、信頼関係の構築といった対人業務は、薬剤師の専門性が不可欠な領域として残る。
実際の薬局との共同開発では、現場の薬剤師の意見を丁寧に聞き取りながら、日々の業務で本当に必要とされる機能を検討してきた。その結果、業務効率化だけでなく、患者さんへの対応の質向上や、適切な服薬指導の実施にも寄与する仕組みづくりが進んでいる。これは、立地だけでなく、提供される医療サービスの質で薬局が選ばれる時代への移行を示唆している。
本大会のテーマ「北の大地から全国へ」が示すように、地域の現場から生まれたアイデアが広く展開される可能性がある。同様に、個々の薬局現場の課題解決から始まったAI活用の取り組みが、今後の薬局業務、ひいては地域医療のあり方に新たな視点をもたらすことについて、参加者の皆様と考察したい。
【略歴】
・東京大学工学部システム創成学科卒業
・アクセンチュア戦略部門にて大手企業のDX推進・新規事業戦略に従事
・東京大学大学院工学系研究科博士課程にてAI・システムデザインの研究に従事し、医療分野の構造課題に着目。東大発スタートアップとして株式会社mediLabを創業
本講演では、実際の薬局との共同開発から生まれた服薬指導支援AIシステム「Kakeru君」を事例として、生成AIが薬局業務にもたらす変化について紹介する。音声認識による文字起こしやSOAP形式への変換といった基本的な機能に加え、生成AIを活用することで、服薬指導に必要な情報の集約、確認すべきポイントの提示、患者個別のフォローアップ計画の作成支援など、より実践的な機能の実現を目指している。
薬局業務におけるAI活用で重要なのは、技術と人間の適切な役割分担である。医薬品情報の検索や過去患者履歴の参照・指導内容の適切な記録作成などの情報処理はAIが効率的に行える一方、患者さんの心情理解、生活背景を踏まえた服薬指導、信頼関係の構築といった対人業務は、薬剤師の専門性が不可欠な領域として残る。
実際の薬局との共同開発では、現場の薬剤師の意見を丁寧に聞き取りながら、日々の業務で本当に必要とされる機能を検討してきた。その結果、業務効率化だけでなく、患者さんへの対応の質向上や、適切な服薬指導の実施にも寄与する仕組みづくりが進んでいる。これは、立地だけでなく、提供される医療サービスの質で薬局が選ばれる時代への移行を示唆している。
本大会のテーマ「北の大地から全国へ」が示すように、地域の現場から生まれたアイデアが広く展開される可能性がある。同様に、個々の薬局現場の課題解決から始まったAI活用の取り組みが、今後の薬局業務、ひいては地域医療のあり方に新たな視点をもたらすことについて、参加者の皆様と考察したい。
【略歴】
・東京大学工学部システム創成学科卒業
・アクセンチュア戦略部門にて大手企業のDX推進・新規事業戦略に従事
・東京大学大学院工学系研究科博士課程にてAI・システムデザインの研究に従事し、医療分野の構造課題に着目。東大発スタートアップとして株式会社mediLabを創業
