講演情報
[SY9-3]がん研究会から始まる地域連携~地域共通版トレーシングレポートの構築と運用~
○鈴木 直哉 (株式会社ナカジマ薬局 薬局事業部 課長代理・薬剤師/札幌東区がん医療薬剤師研究会)

札幌市東区は、人口約26万人を擁する市内第2の規模を持つ区でありながら、500床以上の大規模病院やがん診療連携拠点病院を持たないという特徴がある。そのため、がん薬物療法においては中小病院と地域の保険薬局が連携して対応する体制が求められるが、従来は病院-薬局間の情報共有が不十分であり、患者の治療経過に関する重要な情報が医療機関間で途切れる課題があった。
このような地域の実情に対応するため、2019年に設立された「札幌市東区がん医療薬剤師研究会」では、東区全体で使用可能な情報共有ツールとして「東区共通版トレーシングレポート」を作成・導入した。このレポートは、患者の服薬状況や副作用、生活背景、アドヒアランス、医療的配慮事項などを薬局から医療機関へタイムリーかつ定型的にフィードバックすることを可能とするものであり、情報の質の標準化と効率化を目的としている。
導入後は、薬局からの報告内容の精度と一貫性が高まり、医師や医療スタッフからのフィードバックも増加し、双方向のコミュニケーションが活性化された。また、このレポートを起点として、症例検討会や研修会の開催、共通課題の抽出、患者支援モデルの共有など、多様な薬薬連携活動が地域全体で展開されるようになった。特にがん患者の在宅療養支援や介護との連携においても有効に機能しており、他地域への展開可能性も高い。
本シンポジウムでは、トレーシングレポート導入の背景とその運用実績、今後の課題と改善策、そして地域包括的ながん医療体制の中で果たす役割について報告を行う予定である。
【略歴】
2007年3月 北海道医療大学薬学部 卒業, 薬剤師免許取得
2009年3月 北海道医療大学大学院薬学研究科 修了
2009年4月 北海道消化器科病院薬剤部 入職
2015年4月 外来がん治療認定薬剤師 取得
2017年4月 緩和薬物療法認定薬剤師 取得
2022年4月 株式会社ナカジマ薬局 入社(桑園店 配属)
2023年1月 株式会社ナカジマ薬局 札幌在宅調剤センター 配属
2023年4月 株式会社ナカジマ薬局 旭川医大店 配属
2024年7月 株式会社ナカジマ薬局 薬局事業部 札幌エリア第2グループ 配属
【所属学会】
日本医療薬学会、日本臨床腫瘍薬学会、日本緩和医療薬学会、日本がんサポーティブケア学会など
【役職等】
札幌薬剤師会東支部 役員
日本臨床腫瘍薬学会 代議員ならびに認定制度小委員会委員
日本緩和医療薬学会 代議員
このような地域の実情に対応するため、2019年に設立された「札幌市東区がん医療薬剤師研究会」では、東区全体で使用可能な情報共有ツールとして「東区共通版トレーシングレポート」を作成・導入した。このレポートは、患者の服薬状況や副作用、生活背景、アドヒアランス、医療的配慮事項などを薬局から医療機関へタイムリーかつ定型的にフィードバックすることを可能とするものであり、情報の質の標準化と効率化を目的としている。
導入後は、薬局からの報告内容の精度と一貫性が高まり、医師や医療スタッフからのフィードバックも増加し、双方向のコミュニケーションが活性化された。また、このレポートを起点として、症例検討会や研修会の開催、共通課題の抽出、患者支援モデルの共有など、多様な薬薬連携活動が地域全体で展開されるようになった。特にがん患者の在宅療養支援や介護との連携においても有効に機能しており、他地域への展開可能性も高い。
本シンポジウムでは、トレーシングレポート導入の背景とその運用実績、今後の課題と改善策、そして地域包括的ながん医療体制の中で果たす役割について報告を行う予定である。
【略歴】
2007年3月 北海道医療大学薬学部 卒業, 薬剤師免許取得
2009年3月 北海道医療大学大学院薬学研究科 修了
2009年4月 北海道消化器科病院薬剤部 入職
2015年4月 外来がん治療認定薬剤師 取得
2017年4月 緩和薬物療法認定薬剤師 取得
2022年4月 株式会社ナカジマ薬局 入社(桑園店 配属)
2023年1月 株式会社ナカジマ薬局 札幌在宅調剤センター 配属
2023年4月 株式会社ナカジマ薬局 旭川医大店 配属
2024年7月 株式会社ナカジマ薬局 薬局事業部 札幌エリア第2グループ 配属
【所属学会】
日本医療薬学会、日本臨床腫瘍薬学会、日本緩和医療薬学会、日本がんサポーティブケア学会など
【役職等】
札幌薬剤師会東支部 役員
日本臨床腫瘍薬学会 代議員ならびに認定制度小委員会委員
日本緩和医療薬学会 代議員
